【40代、50代の腰痛を元から治す⑨】腰痛は、ストレスなどメンタルの不調が原因でも起こる! それを改善するには?

AI要約

心因性腰痛は、メンタルの不調が原因で起こる腰痛の一種であり、姿勢や体勢によらず痛みが出る特徴がある。

メンタル的な不調が腰痛を引き起こす主なメカニズムには、自律神経の乱れや神経伝達物質の分泌不足が関与している。

特に慢性の腰痛は心因性の要因も多く、ストレスフルな生活や精神的な疾患がある人ほど心因性腰痛が起きやすい。

【40代、50代の腰痛を元から治す⑨】腰痛は、ストレスなどメンタルの不調が原因でも起こる! それを改善するには?

40代、50代に多い悩みに「腰痛」があるが、ストレスなどのメンタル的な不調が原因で起こることも。更年期でメンタルの不調が起きやすいOurAge世代にとって気になるところ。そこで、その理由や対策を脊椎外科専門医の吉原潔さんに伺った。自分の腰痛がメンタルの不調も関係していると思ったら、実践してみて!

まず、ストレスなどメンタルの不調が原因の腰痛とはどういうものなのかを、吉原先生に伺った。

「ストレスやうつなどのメンタルの不調が原因で起こる腰痛を“心因性腰痛”と呼びます。

一般的な腰痛は姿勢や体勢で痛み方に変化があるのに対して、このタイプの心因性腰痛の場合は、どんな姿勢をとっても痛みやすい傾向があります。

また、骨や筋肉に問題がないので、レントゲンやMRIでは異常がなく、原因が特定しにくいというのも特徴。神経ブロック注射や鎮痛剤があまり効かないという傾向もあります」

では、なぜメンタルの不調によって腰痛が起きるのだろうか?

「メンタルの不調が腰痛と結びつくメカニズムはいくつかあります。まず、ストレスや不安感、イライラなどメンタル的な不調があると、自律神経のバランスが乱れて交感神経が優位な状態が続きます。すると、痛みに敏感になったり、筋肉が緊張しやすくなるので腰痛が起きやすくなるのです。

また、痛みを抑えるドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質は、メンタルの不調があると分泌されにくくなるので、わずかな痛みでも強く感じるようになるため、腰痛も感じやすくなるというのも原因のひとつです(痛覚変調性疼痛)。

そのほか、過剰なストレスがあると脳にある前頭葉の一部の、DLPFC(痛みの回路を抑制する指令を出し、ネガティブな感情をコントロールする背外側前頭前野)が誤作動を起こし、痛みがなくても痛みを感じるようになってしまう場合もあります。

おもに自律神経のバランスの乱れが原因で起こる場合が多いように思います。特に慢性の腰痛は、心因性の要因も強いことがわかっています。ストレスフルな生活をしている人や、真面目で几帳面な人、うつなどの精神的疾患がある人は、心因性腰痛が起きやすい傾向があります」