ちょいモレ、夜中のトイレ…更年期のおしっこ悩みを改善!名医が解説

AI要約

尿トラブル改善のカギは、骨盤底へのケア。特に女性の50代以上で衰えやすく、妊娠・出産が原因とされる。

骨盤底は内臓を支える重要な筋肉群であり、加齢や運動不足、悪い姿勢などの生活習慣で衰える。様々な症状を引き起こす可能性がある。

特定の症状や生活習慣が骨盤底の衰えを示唆する。3つ以上当てはまる方は特に注意が必要。

ちょいモレ、夜中のトイレ…更年期のおしっこ悩みを改善!名医が解説

「くしゃみの拍子に“ちょい漏れ”してしまう」「夜トイレに何度も起きてしまう」…… こうした尿トラブル改善のカギは、骨盤の一番下にある「骨盤底」という組織に力をつけることにあります。骨盤底ケアに詳しい名医・関口由紀さんにお話を伺いました。

女性医療クリニックLUNAグループ理事長。インターネットサイト・フェムゾーンラボ社長。医学博士。近著に『「トイレが近い」人のお助けBOOK』(監修、主婦の友社刊)がある。

骨盤底(こつばんてい)は、その名の通り骨盤の一番底にあり、内臓を支える筋肉群(骨盤底筋)やじん帯・皮下組織などからなるひし形の組織です。ちょうど自転車のサドルが当たる部分がその範囲で、尿道口や肛門の開閉なども担っています(上図)

この骨盤底は、「50代以降の女性が特に弱らせやすい場所」と話すのは、泌尿器科専門医の関口由紀さんです。

「骨盤底が衰える原因の一つが、妊娠・出産によるダメージです。50代以降、筋力の衰えが顕著になるとその“古傷”が顕在化し、骨盤底の筋肉やじん帯が緩んで内臓が下垂したり、排泄機能の不調にもつながります。これは『骨盤底障害』といわれ、多くの方が悩む『尿漏れ』や『頻尿』も、その症状の代表例です」

骨盤底はプレートのような作りをしていて、膀胱や尿道、子宮や直腸などを下から支えつつ、尿道口や肛門を収縮・弛緩させ排泄をコントロールする役割を担っています。加齢や運動不足の他、悪い姿勢などの生活習慣で衰えます。

現在のあなたの骨盤底の状態をチェックしてみましょう。いくつ当てはまりますか?

□座っているときひざが開いてしまう

□長時間座っていることが多い

□お尻からドンと座りがち

□背もたれに寄りかかって座る

□猫背もしくは反り腰と言われる

□トイレでいきむことが多い

□妊娠・出産経験がある

□閉経している

3つ以上当てはまる方は特に注意が必要です!骨盤底が衰えると、臓器脱やぽっこりお腹、便秘など、他の“女性によくある”悩みにつながるのだとか。

次回は、骨盤底の衰えが招く不調や病気について紹介します。

取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=タカヤユリエ

※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年3月号を再編集しています