韓国自律走行技術がドイツへ…BMW生産車両、野積場を迅速に移動

AI要約

ドイツ・ミュンヘンのBMW本社から北東に100キロほど離れたディンゴルフィン工場。ここはBMWの核心車種と電気自動車のパワートレインを全量生産する施設。自律走行補助装置LiDARを活用し、工場内での車両の自律移動が可能で、1日平均1000台の車両が移動している。

自律走行技術は韓国企業ソウルロボティクスの技術であり、物流現場でも注目されている。世界無人移動ロボット市場は2028年に200億ドルに達する見込みで、人件費の削減と効率化が期待されている。

産業用自律走行の核心部品LiDARセンサーは自動車工場内で活用され、技術は港湾や物流センターにも広がっている。さらに、自律移動ロボットの開発にも注力されており、駐車ロボットや物流ロボットの商用化が進んでいる。

ドイツ・ミュンヘンのBMW本社から北東に100キロほど離れたディンゴルフィン工場。ここはBMWの核心車種と電気自動車のパワートレインを全量生産する施設だ。組み立てが終わった7シリーズは運転者なく自ら野積場に移動する。工場内に設置された自律走行補助装置LiDAR(レーザーで事物の位置を測定する装置)を通じて車両が独立的に動く。一日平均1000台ほどの車両が工場内を自律移動する。BMWは2022年に初めてこの技術を導入したが、最近まで一件の事故もなかった。

BMWが採用した自律走行システムは韓国企業ソウルロボティクスの技術だ。自律走行技術は自動車だけでなく、BMWディンゴルフィン工場に見られるように工場内の移動と港湾をはじめとする物流現場でも注目されている。物流現場は24時間休まずに動くからだ。最近急激に上昇した人件費も、多くの企業の視線を自律走行技術に向けさせた。グローバル市場調査会社リサーチアンドマーケットによると、世界無人移動ロボット市場は2028年に200億ドル(約3兆円)に達する見込みだ。

産業用自律走行の核心部品LiDARセンサーは人の拳ほどの大きさだ。一例として自律走行技術が適用された自動車工場内部には約200個のLiDARセンサーが設置されている。これを通じて3次元地図を作る。車両に設置されたソフトウェアはこれらLiDARセンサーを基盤に自律走行をする。こうした技術は自動車工場を越えて港湾や物流センターに拡張している。ソウルロボティクスのイ・ハンビン代表は「全世界およそ4000カ所の自動車工場では施設内での自動車運搬のために各工場で年平均人件費として200億ウォン(約23億円)を使うが、これを減らすことができる」とし「BMWに続いて日本や米国などグローバル自動車企業と新しいプロジェクトについて議論している」と述べた。

自律走行技術に加えて自律移動ロボットの開発にも取り組んでいる。最近注目されているのは駐車ロボットと物流ロボットだ。駐車ロボットは平たいパレット形態で、車両の内部に入って自体を持ち上げて運ぶ。HLマンド、現代ウィア、サムピョグループなどが駐車ロボットの商用化を控えている。こうしたロボットは狭い駐車場や複雑な物流倉庫で活用が可能だ。

トヨタはベルトコンベヤがない工場まで構想中だ。トヨタは昨年6月、テクニカルワークショップで次世代電気自動車プラットホームと共に新しい組み立て方式を提示した。工場内のベルトコンベヤをなくし、組み立て中の電気自動車が工場内の他の組み立てラインまで自ら走行する方式だ。ベルトコンベヤが消えれば今のように大規模な敷地に造成された自動車工場も消えると予想される。この場合、初期投資額も減る。多品種少量生産も可能になる。トヨタはまず米国工場に新しい生産システムを導入する計画だ。

国内ではまだ自動車工場内に自律走行技術を導入したり検討しているところはない。現代車グループが自律走行への投資を続けているが、大きな成果を出せずにいる。大徳大のイ・ホグン自動車学科教授は「現代車の場合、こうした自動化設備投資や開発を進める時、労働組合を意識するしかない」とし「適期に投資できない場合、海外の他の自動車と比較して価格競争力が落ちる悪循環が続くだろう」と話した。