多発性筋痛症と診断され、原因不明&治療なしと諦めていたら…【ひどい腰痛も8割治る】

AI要約

患者さんは20年前から腰痛を患い、神経痛と診断されて痛み止め薬で治療していた。

しかし、実際は椎間板変性症であることが発覚し、手術を行い痛みが軽減した。

リハビリを継続し、日常的な運動やストレッチを行うことで症状が改善した。

多発性筋痛症と診断され、原因不明&治療なしと諦めていたら…【ひどい腰痛も8割治る】

【ひどい腰痛も8割治る】#24

 その患者さんは20年ほど前から腰痛を患っていた75歳の方でした。ある日、寝床から立ち上がろうとした時に急に腰に痛みが走り、それ以来、その状態が1カ月以上続いたことから、地元群馬にある整形外科の診察を受けたといいます。レントゲンによる診察を受けた結果は、神経痛の一種である多発性筋痛症。

 この病気は免疫の異常により起こるとされており、特に高齢の方に比較的多く見られる、老化に伴うものとされています。ただ、原因は明確には解明されておらず治療法も確立していません。それもあってか、この方の場合も痛み止め薬の処方による保存的治療となり、以来そんな状態を続けてきたというのでした。

 ところが、2年前あたりから、右足外側に、しびれとともに痛みが出現するようになり、日常生活にも支障を来すほどに。ある雑誌に掲載された我々クリニックの紹介記事を見て、群馬から単身訪ねて来られたのでした。

 改めて診察をした結果は意外なものでした。神経痛ではなく、椎間板変性症という病気であり、患部も特定することができたのでした。

 年齢を重ねるごとに椎間板の水分量は減少し、硬くなってきますが、この椎間板変性症は、そのことにより椎間板の外側にある線維輪という部位に傷が入りやすくなり、椎間板の中にある髄核のクッション機能が低下し発症するものです。

 そこで、クッション機能を回復させるため、患部である椎間3カ所にセルゲル法を実施。術後には座位、立位、歩行などに問題が見受けられなかったため、その日に帰宅していただきました。

 それから1週間後には、痛さはほぼなくなったということですが、下肢全体や、ふくらはぎは重く、ピリピリする状態が残っていました。ご本人からリハビリを検討したいとの申し出もいただき、さっそくその手配も行ったのでした。

 腰痛には体幹トレーニングやスクワットなど、あまり激しくないレベルの運動や、患部周辺をマッサージしたり温めたりして血行を改善することが有効です。この方の場合は特別な運動はしていないとの話でしたが、散歩や農作業で比較的体を動かし、筋力維持もされていたことが幸いしました。半年たったあたりまで下肢のしびれや違和感が残っていたものの、1年後には完全に違和感も散歩の後の疲労感もなくなったという、うれしいご報告をいただけるまでになりました。

 ですが、引き続きリハビリへの参加とともに、日常的な散歩による歩行や入浴後のストレッチなどをお勧めしたのでした。

(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)