医者が教える「主治医を変えたい」「薬を減らしたい」ときの、とっておきのコツ

AI要約

医療機関での主治医の変更方法や薬の変更要望の伝え方について、秋津医院の秋津壽男院長のアドバイスを紹介。

主治医の変更は外来診療医担当表を確認し、違う医者に診てもらうことで対応可能。

薬の変更要望は効果がない場合は直接伝えてよいが、薬に対する不安や減らしたい場合は丁寧に理由を伝える。

医者が教える「主治医を変えたい」「薬を減らしたい」ときの、とっておきのコツ

文/鈴木拓也

長く生きて医療機関に通う回数が増えてくると、医者も千差万別であることが分かってくる。

なかには、首を傾げたくなる医者もいるし、腕は立つが苦手な医者もいる。病気さえ治ればいいとは思っても、やはり反りの合う医者に診てもらいたいのが本音である。

そうした医者の見つけ方、付き合い方のコツを教えてくれるのは、秋津医院の秋津壽男院長だ。秋津院長は、著書『医者とのつきあい方大全 医者のトリセツ』(春陽堂書店)のなかで、さまざまなアドバイスをしている。

今回は、その一部を紹介しよう。

通院先は近所だし、設備も整っているので不満はないが、理由があって主治医を変えたい場合、どうすればいいのだろうか?

相手も人間。面と向かって、「別の先生にしたい」と言ったら、角が立つ可能性はある。

秋津院長は、外来診療医担当表をチェックして主治医がいない日に行き、受付で次のように切り出すことをすすめる。

「いつも診てくださる先生が今日いらっしゃらないのは分かっているのですが、ちょっと体調がすぐれないので診ていただけますか」

病院側としては、担当の医者がいないからとそれを断ることはできないので、いつもとは別の医者が対応にあたる。もしその医者がよければ、以後は新たな主治医として担当してくれる。

仮に前の医者にそのことが伝わっても、「ちょっと風邪っぽくて病院へ行ったら、先生のいらっしゃらない日で……」などと答えれば問題なしだという。

では、主治医ではなく、処方されている薬を変えたい場合は、どうすればいいのだろうか?

患者側として薬を変えたくなる理由は主に、「薬が効かない」のと「週刊誌にこの薬は危ないと書かれていた」が主なのだそう。

服用を続けても効かないのであれば、ストレートに担当の医者に言ってかまわないという。もう1つの理由の場合も、正直に言って差し支えないが、伝え方はちょっと工夫する。

「週刊誌にこの薬のことがいろいろと書いてあって心配になってしまったので、変えてもらうことは難しいですか?」

というふうに。

他方、変えるのではなく、減らすあるいはやめたい場合は、ちょっと注意が必要。医者としては「あなたのカラダのためを思って処方しているのに、それもおかまいなしだなんて……」と受け取られかねないからだ。

ただ、最近は高齢者の多剤併用が問題になっているし、厚労省の指導方針も薬を減らす方向へと舵を切っている。

そこで、言い方としては、例えば、

「今、私は朝八個、昼三個、夜二個薬を飲んでいるのですが、こんなにたくさんあると飲むのも大変なんです。少し減らすのは難しいですか?」

「少しの間、血圧の薬をお休みしたいのですが、どうでしょうか?」

などと、しかとした理由を伝えることで、医者は納得し、むしろ協力的になる。