更年期に尿もれが増える、意外な理由|泌尿器科医が伝えたい「今日からできる尿もれ対策」はじめの一歩

AI要約

尿もれは、高齢者特有のものではなく、女性も経験することがある。

尿もれの主な原因は膀胱周りの筋肉の衰えであり、肥満や便秘がその一因となることがある。

尿もれには体重管理、便秘解消、下半身トレーニングなどの対策がある。早めのケアを心がけよう。

更年期に尿もれが増える、意外な理由|泌尿器科医が伝えたい「今日からできる尿もれ対策」はじめの一歩

「尿もれ」は、高齢者特有のものではありません。女性の場合、出産(経膣分娩)した人なら、年齢が若くてもすでに経験済みの人も。尿もれの原因は、一般的に膀胱周りの筋肉の衰えと言われています。でもその筋肉の衰えを引き起こすのは、年齢のせいだけではないんです。泌尿器科専門医師・伊勢呂哲也さん監修の書籍「尿もれ・頻尿・夜間頻尿 尿トラブルの治し方」(Gakken)からご紹介します。

■更年期で太り出したから、尿もれが始まった!?

笑ったり、重いものを持ったりする時、お腹に力が入って「あ!」ということ、ありますよね。これは「腹圧性尿失禁」と言い、膀胱や尿道を抑える筋肉がゆるむことで引き起こされています。尿もれを実感している人の約8割が、このタイプ。

その原因の一つが、肥満だということはご存知ですか? 更年期を迎えると代謝が落ちるため、40代以降体重が増えてしまったという人は、めずらしくありません。でも、この増えた体重が、ダイレクトに尿道周りの筋肉の負荷になっているんです。そのため、尿もれが引き起こされやすくなっています。

■まさか便秘が尿もれの原因に?

さらに、便秘の人は要注意。排便の時のいきみこそ、実は骨盤底筋に強い負荷がかかっています。

骨盤底筋は、膣・尿道・肛門を一手に支える、ハンモックのような筋肉。なので、いきみ=腹圧をかけると、その影響が尿道の方まで影響するというわけなんです。

■尿もれは恥ずかしいことじゃない!

尿もれ(腹圧性尿失禁)は、「骨盤底筋のゆるみ」と「尿道括約筋の衰え」のせいで起こる現象のひとつです。

さらに、以下に当てはまる人は「尿もれ」(腹圧性尿失禁)しやすいタイプということを知っておきましょう。

・40代以降

・肥満

・経膣分娩経験あり

・更年期や閉経以降

・便秘がちでよくいきむ

でも原因がわかっている尿もれについては、対策は簡単です!

まずは

①体重を落とす

②便秘を解消する

そして

③下半身トレーニング

この3つをすぐに取り入れるなど、改善に向けて行動していきましょう!

みんな口には出さないけれど、「尿もれ」している人は案外多いもの。そのせいか、尿もれは実は簡単にケアできて、すぐに改善できるという事実が、なかなか広まりません。下半身の快適さは、そのまま人生の豊かさに直結します。恥ずかしさを感じて何もしないなんて、もったいない。ぜひ、尿もれケアの一歩を踏み出して!

教えてくれたのは…伊勢呂哲也先生

医療法人インテグレス 理事長、大宮エヴァグリーンクリニック 理事長・院長、東京泌尿器科クリニック上野/池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長。書籍『尿もれ・頻尿・夜間頻尿 尿トラブルの治し方』(Gakken・刊)を監修。

構成・文/池田ゆき