気をつけたい秋の花粉症 春との違いと原因とは? 有効な予防策を医師に聞いた

AI要約

秋にも花粉症の原因となる花粉が飛散しており、症状や原因は春と異なる。

花粉症を予防するためには、花粉情報のチェック、マスクの着用、帰宅時の花粉除去などが効果的。

体調不良を放置すると花粉症の症状が悪化する可能性があるため、早めの対処が必要。

気をつけたい秋の花粉症 春との違いと原因とは? 有効な予防策を医師に聞いた

 花粉症と聞くと春のイメージがありますが、実は秋にも花粉症の原因となる花粉が飛散しています。秋の花粉症のピークは9~10月頃といわれ、夏の終盤から目のかゆみや鼻詰まりなどがある場合は、花粉症の可能性も。春と秋で、症状などに違いはあるのでしょうか? 主な原因や予防法などについて、アルバアレルギークリニック札幌の院長・続木康伸医師に伺いました。

 ◇ ◇ ◇

 春の花粉症は、主にスギやヒノキ、シラカバなどの樹木の花粉が原因です。一方、秋はブタクサやヨモギなど、雑草の花粉が主な原因に。また、春は全国的に花粉の飛散する範囲が広く患者数も多いのが特徴ですが、秋は地域差があり患者数が比較的少なく、日本人の約1割とされています。

 花粉症の症状は春と秋で違いはなく、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどです。秋の花粉は春に比べて飛散距離が短いことから、症状が軽い傾向にあります。

 秋の花粉症は、個人差がありますが、普段あまり外出しない人もなる可能性があります。なりやすい人の特徴としてまず挙げられるのが、アレルギー体質の人です。たとえば食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の症状がある場合は、花粉症にも注意しましょう。本人にアレルギーの症状がなくとも、アレルギー疾患の家族がいる場合、遺伝的要因からなりやすいといえます。

 このほか、喫煙者も花粉症には注意が必要です。喫煙は気道の粘膜を傷つけ、花粉に対する感受性を高める可能性があります。

 春の花粉症に比べて、秋は症状が軽いとはいえ、体の不調は避けたいところです。そこで、秋の花粉症を予防するために効果的な方法を紹介します。

○花粉情報のチェックと外出の調整

 花粉の飛散量は日によって変動します。とくに、風が強い日や雨が降った翌日などは多くなるため注意しましょう。花粉量が多い日を把握し、外出時間の調整などをすることで、花粉を吸い込んだり、皮膚に付着したりする花粉の暴露を最小限に抑えられます。

○マスクの着用

 マスクには花粉の吸収を物理的に防ぐ効果があります。とくに、花粉対策用の顔にフィットするような高機能マスクを使用することで、より効果的に花粉をブロックできるでしょう。

○帰宅時の花粉除去

 衣服や髪に付着した花粉を室内に持ち込むと、長時間、花粉にさらされることになります。外出から帰ってきたら、玄関先で衣服をブラッシングするなどして花粉を払い落としましょう。また、顔や手もすぐ洗浄してください。そうすることで室内への花粉の侵入を防げます。

 猛烈に暑かった夏の疲労を引きずり、体調不良を起こしやすい時季。風邪だと思って放っておくと、花粉症の症状が悪化する場合があります。

 程度によっては市販の薬で対処できることもありますが、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。症状が軽いうちに対処することで、重症化を防ぐことができます。

◇続木康伸(つづき・やすのぶ)

アルバアレルギークリニック札幌院長。「カズレザーと学ぶ。」(日本テレビ系)をはじめ、多数メディアに出演。「保湿を変えればアトピーは治せる」(学研刊)著作。花粉学会評議員。