「母は自分で自分を殴って”家庭内暴力の被害者”になりました」…PTA役員だった「嘘つき母」の失踪と、「生き別れていた父親」を探し出して聞いた「意外な真実」

AI要約

代理ミュンヒハウゼン症候群は子どもを傷つけて注目を集める精神疾患であり、母親の承認欲求が原因で発生する虐待事例が存在する。

岡部百合香さんは母親の代理ミュンヒハウゼン症候群から受けた虐待に苦しんでおり、中学校でも母親の嘘によって問題児として扱われた。

学校関係者たちは母親の異常な行動に惑わされ、百合香さんは無実の罪を着せられたり、誤解されたりしていた。

「母は自分で自分を殴って”家庭内暴力の被害者”になりました」…PTA役員だった「嘘つき母」の失踪と、「生き別れていた父親」を探し出して聞いた「意外な真実」

虐待の中で近年注目されているのが「代理ミュンヒハウゼン症候群」である。

これは子どもをわざと傷つけて、熱心に看護するふりをして周囲の注目を集めようとする精神疾患のことで、実際、2010年に京都市内の病院で母親が3人の我が子の点滴に水道水を混ぜて死傷させた事例や、2020年に母親が生後2ヵ月の長男に血液を飲ませて嘔吐させたり、口をふさいで呼吸を一時停止させた事例も発生している。

いずれも始まりは「周りから注目されたい」「不運に立ち向かう健気な母親だと思われたい」という、母親の承認欲求が引き起こした虐待だった。

福祉関係の仕事に就いている岡部百合香さん(仮名・24歳)も、「代理ミュンヒハウゼン症候群」の母親から受けた虐待に苦しんでいた。

「24歳女性が訴える「承認欲求モンスター」実母の「ヤバすぎる行動」…「私は、母の嘘によって“不純異性交遊に明け暮れる中学生”に仕立て上げられました」」より続きます。

百合香さんの中学校生活は、初日から最悪なものとなった――。

母親は彼女が入学する前から、何度も中学校に足を運んで校長や生活指導の教員に「娘の素行がいかに悪いか」を切々と訴えていたからだ。真に受けてしまった学校関係者たちは、百合香さんを最初から問題児として扱ってきたという。

「入学式の翌日には放課後『生徒指導室』に呼ばれました。生徒指導、学年主任、担任、校長、教頭の5人がスクラムを組むように待ち受けていて、私だけ持ち物検査や服装検査をされました。

私は何も悪いことをしておらず、先生たちは何も見つけられなかったのですが、物凄く厳しい顔で『お母さんから“素行に問題がある子どもなので厳しく指導して欲しい”と言われたので、あなたもそのつもりでいなさい。くれぐれも問題を起こさないように』と言われました」

それでも「母の嘘なんてすぐにバレる。先生たちは大人だし、すぐに事実に気づいてくれるだろう」とタカをくくっていたというが、周囲の大人たちは母親の異様な嘘に、飲み込まれていった――。

「母は、自分で自分を殴りつけ、刃物で腕を傷つけ、あざや傷を作るんです。そうやってできた青あざや切り傷を先生に見せながらボロボロと泣いて、『百合香が家で暴力を奮う』と訴えるんです。一方の私は学校で問題行動を起こしていないのですが、先生たちは私より母の言葉を信じて、『自分の留守中に娘が中年男性を家に連れ込んでいかがわしいことをしていた』という新たな嘘も真に受けていました」