“毒子”とは?「暴力行為で要望を実現」いい子が変身するケースも…家族はどう向き合う?

AI要約

親を言いなりにして支配しようとする『毒子』が増えている。長年、親子関係について、カウンセリングを行ってきた専門家は、そう指摘する。

30代のユウジさんは、自分が毒子だったと自覚している。10代の頃から親を暴力やバイオレンスで支配し、親の弱みにつけ込んで要求を通してきた。

60代のサトウさんは逆に、娘からの言いなりになっているのではと悩んでいる。娘が自立せずに依存し、受け入れ難い要求をしていることに疑問を感じている。

親子関係における毒子の問題には、暴力や過保護、過干渉などが影響している。親が子どもを支配し、その弱みを利用して子どもが親を操作する関係が生まれる。

ユウジさんのケースでは、父親の厳格さと母親の過保護さが要因となり、毒子となる過程が垣間見える。しかし、成長して自立し、親を尊重するようになったことで問題は解決した。

家族間のコミュニケーションや問題解決能力が重要であり、親子の良好な関係構築には互いの気持ちを尊重することが不可欠である。毒子の問題は、適切な対応や関係修復が必要である。

“毒子”とは?「暴力行為で要望を実現」いい子が変身するケースも…家族はどう向き合う?

 「親を言いなりにして支配しようとする『毒子』が増えている」。 長年、親子関係について、カウンセリングを行ってきた専門家は、そう指摘する。北海道ススキノで起きた30代女性による殺人事件でも、両親が娘の言いなりとなり、犯行を手伝った容疑がかけられている。

 暴力や過保護、過干渉などによって、親が子どもを支配する「毒親」に対して、反対の「毒子」。親の弱みにつけ込むような形で支配する子のことだが、一体いつなってしまうのか。『ABEMA Prime』では当事者とともに、実態と背景を考えた。

 30代のユウジさんは、自分が毒子だったと自覚している。10代の頃は、親から注意を受けると、殴りかかる・物を壊す・罵声といった反応を示し、その度に親は萎縮した。また、学校へ車で送り迎えしてくれないと、あえて不機嫌になるなどの行動も取った。20代では、就職活動がうまくいかず親から心配されたが、親への態度を強めることで、何も言ってこなくなったという。

 ユウジさんは「暴力やバイオレンスな行為で、親に自分の要望を強く訴えかけ、無理やり実現していった」といい、「親への罪悪感はありながら、一貫して続ける中で、ループから抜け出せなくなり、自分でも『そういう子どもになったのかな』と認識した。普段から親が気にしていることを逆手にとって、心情を逆なでしていた」と振り返る。

 ユウジさんの家庭は、公務員の父親が厳格なタイプで、世間体を気にして躾が厳しかった。専業主婦・パートの母親は、過保護な所があり、先回りしてお世話にしてくれていた。そして姉と妹は、暴れるたびに止めてくれた。自身は20代後半から仕事が安定して、結婚を経た今では、親と良好な関係になっている。

「20代後半になり、親を尊重する気持ちの余裕ができてきた。言葉でコミュニケーションを取り、問題を解決していく中で、互いの気持ちがスッキリした」

 60代のサトウさんは反対に、「娘からの言いなりになっているのでは」と悩んでいる。20代後半で、シングルマザーの娘は、週の半分近く、孫を実家に預けて外出するが、その理由を詳しく教えてくれない。アパート代・生活費など金銭面の援助も求められるが、こちらから「正社員で働いて欲しい」や「実家に帰ってきてほしい」と伝えても、受け入れてもらえない。