モヤモヤ、落ち込み、イライラ…「ネガティブ感情」をガラッと変える具体的な方法があった!【臨床心理士が解説】

AI要約
家に帰ってきてから自己嫌悪に陥る人への解決法として、問題の外在化が効果的である。このスキルを身に付けることで自己効力感が向上し、ネガティブな感情と適切な距離を取ることが可能になる。さらに、ポジティブなイメージの強化や解決策を見つけることもできる。ネガティブな気持ちに振り回される人に有益な問題の外在化とは、問題を自分の一部ではなく外側に存在するものとして捉えるスキルである。この考え方を取り入れることで、自分の感情に対処する能力を高めることができる。問題の外在化を行うことで、ネガティブな感情に対して冷静な立場を保ち、ストレスを軽減することができる。また、新たな視点を得ることで問題に対する解決策を見つける手助けにもなる。
モヤモヤ、落ち込み、イライラ…「ネガティブ感情」をガラッと変える具体的な方法があった!【臨床心理士が解説】

家に帰ってきてから、あるいは寝る前に、1日のことを振り返り、イライラしたり自己嫌悪になったり……そんな1人反省会を繰り広げがちな人へ。ネガティブな気持ちへの印象を変えてしまう、たったひとつの方法を臨床心理士が解説します。

『ネガティブな気持ちになるのは、私がネガティブな人だから』という声をよく聞くことがあります。確かに、感情は自分の中で起きていることなので、そう思うのも仕方がないことかもしれません。しかし、ネガティブな気持ちになることを『私のせいだ』と自分自身のせいにすることは、よりネガティブな気持ちを強めてしまったり、さらにはストレスを長期化させ、周囲との関係に支障が出たり、心身の健康に影響が出る、さらにネガティブな気持ちになるという悪循環になりかねません。

ネガティブな気持ちに振り回され、自己嫌悪に陥ることが多いという人におすすめしたいのが、【問題の外在化】という心理学的なスキルです。問題の外在化とは、問題を『自分の一部である』と捉えるのではなく、『自分の外側に存在するもの』というように切り離すことにより、対処法を見つけられるようになることを目的としたもの。例えば、ネガティブな感情になりやすいことに困っているとして、『私がネガティブな人だからネガティブな気持ちになるんだ』というのは、内在化(=自分の中に原因があると考えること)です。一方で、『ネガティブな感情が私を困らせている』と考えることは外在化になります。

(1) 自己効力感が向上する

『ネガティブな感情は、自分の内側にあるもの』と思うと、なんだか漠然としていて、対処するのが難しいような印象を持つ人も多いでしょう。一方で、『ネガティブな感情は自分の外側で起きているもの』という捉え方にすることによって、『このネガティブな感情は、自分で調整できるものかもしれない』と認識し、自分の力で問題に対処する能力、自己効力感を高めるのに役立ちます。

(2) ネガティブな感情と適切な距離を取ることができる

ネガティブな感情によって起きる問題を自分自身から切り離すことで、そのこと自体がストレスを軽減になります。また、ストレスが軽減すると冷静な状態を取り戻すことができ、対処法に取り組み、問題の早期解決に役立ちます。

(3) 自分に対するポジティブなイメージの強化

『ネガティブな感情が起きるのは自分がネガティブだから』と考えると、自分に対するイメージが否定的なものになりがちです。ところが、問題の外在化によって、ネガティブ=自分ではないということを理解できるようになると、自分自身に対する見え方が変化します。そして、感情の対処法を実践し、それができるようになった自分に対して、肯定的なイメージを持つことができるようになります。

(4) 解決策を発見することができる

問題を外部に切り離して考えることで、問題に囚われていたからこそ見過ごしていた視点に気づくことができます。その新たな視点こそが、解決策を見つけるヒントになるかも。