反ユダヤ対策の特使、初任命 豪

AI要約

オーストラリアのアルバニージー首相が、反ユダヤ感情や反イスラム感情に対処する特使を任命することを発表した。

ユダヤ人やイスラム教徒がガザ地区での戦闘によって苦悩していることを認識し、国内の調和を望む声が高まっている。

国内での反ユダヤ主義的な事案の増加や労働党内部の対立など、アルバニージー首相の決定の背景には様々な問題があった。

反ユダヤ対策の特使、初任命 豪

ブリスベン(CNN) オーストラリアのアルバニージー首相は9日、国内の反ユダヤ感情や反イスラム感情への対策を担う特使を新たに任命すると発表した。

アルバニージー氏は、昨年10月から続くパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘が国内のユダヤ人やイスラム教徒に大きな苦悩をもたらしているとの認識を示し、「豪国民の圧倒的多数は紛争がここに持ち込まれることを望んでいない。国民が望むのは調和であり、人々が互いに仲良くやっていくことだ」と述べた。

同国ではガザ情勢をめぐってイスラエルに対する抗議行動が続発し、与党・労働党の内部でも対立が起きている。

アルバニージー氏がこの日、シドニーのユダヤ博物館で発表したところによると、ユダヤ系弁護士のジリアン・シーガル氏がユダヤ人社会の意見に基づき、反ユダヤ感情への対応を担う。

アルバニージー氏は国内各地でユダヤ人社会の声を聴いてきたと話し、「子どもたちが学校の制服を着ることに不安を感じている。この状況は容認できない」と強調した。

国内のユダヤ人団体によると、反ユダヤ主義的な事案は昨年10~11月に急増し、今もガザ地区の戦闘が始まる前に比べて5~6倍の件数に上っている。

アルバニージー氏はさらに、反イスラム感情に対応する特使をまもなく任命すると表明した。

労働党では先週、同党初のイスラム系上院議員が対パレスチナ政策をめぐって離党し、無所属になると表明した。