IQ70、軽度知的障害を持つ女性、見た目が“普通”ゆえのいじめを経験…「世界が黒く見える学生時代」もSNSが転機に

AI要約

えりかんさんはIQ 70で軽度の知的障害を持ち、日常生活での困りごとや学業での苦悩を赤裸々に語っている。

自身の特性や障害に気づいた経緯、学業における困難やいじめを経験した過去を振り返る。

学生時代の辛い経験を通じて、自身の違いを受け入れ、SNSでの障害カミングアウトをきっかけに今後に向けて前向きな姿勢を示す。

IQ70、軽度知的障害を持つ女性、見た目が“普通”ゆえのいじめを経験…「世界が黒く見える学生時代」もSNSが転機に

 IQ 70で軽度の知的障害を持つという、えりかんさん。現在はご自身の障害に基づく日常生活での困りごとやあるあるなどを赤裸々に発信しています。義務教育までは、支援級ではなく通常学級で過ごし、学生の頃は「勉強ができない」「相手の言っていることが理解できない」など、学業や友人間でのコミュニケーションで多くの苦悩を抱えていたといいます。いじめられていたという学生時代から、SNSで障害をカミングアウトするにいたったきっかけ、今後の想いなどについて話を聞きました。

ーーIQ 70、軽度知的障害、境界知能を持たれているとのことですが、具体的にどんな特徴があるのでしょうか。

「私の場合は、抽象的な表現が苦手だったり、 計算が瞬時にできない 、漢字が難しい、記憶力が弱くて勘違いしやすい、勉強ついていけない、普通のバイトですら困難…などの特性があります」

――どういうきっかけでご自身の特性に気づかれたのでしょうか?

「小学生までは、私も自分に障害があることを知りませんでした。ただ、自分は普通の人よりも、ちょっとポンコツだという“違和感”は感じていました。4歳の頃に療育手帳をもらい、『あなたは知恵遅れ』と母に言われたこともありましたが、よく分かっていなかった(笑)。高校生の頃に、周りより勉強できないと思い、学習障害かも…と疑いました。そこで検査したところ、軽度知的を知りました。当時はびっくりしました」

――義務教育を受けられていた時、学業において困りごとはあったのでしょうか?

「たとえば、授業の内容について。どんなに真面目に聞いても、ふわふわしたかんじで、理解できません。例えるなら高熱を出したときのぼんやりしてる感じで、まったく理解できませんでした。そういうわけで、成績は学年順位170人中168位。クラス順位もビリは当たり前でした。テストで0点取るのは、当たり前だったのですが、クラスメイトたちはびっくりしていました」

――当時、クラスメイトからの反応は?

「中1の春、理科のテストを返却された際、クラスメイトの女子が『やばい~私点数悪いけど、お互い見せ合おうよ』ということになり、私はてっきり相手も0点を取った仲間かなと思って見せ合ったら、相手は60点くらいで自分は0点ということがありました。相手はとても驚いていて、そこからクラスのみんなが私のテストの点数を見に来て『0点とった』とすぐに噂が広まり有名になりました。だんだん見下されるようになって、舐められるようになり、次第にいじりがひどくなってきました」

――自身が他の友人やクラスメイトと違うかもしれないと感じた当時、えりかんさんはどういった心境でしたか?

「すごく苦しくて辛かったです。心が痛くてあまり笑えなくなり、世界が黒く見える日々を生きていました」