介護の手間がひとつ減る! ベッド脇に「サイドレール」をつけたままできる「腰にやさしい」寝返り介助

AI要約

根津氏は麻痺があるためにサイドレールが重要だったが、介助の妨げになることからサイドレールを外さずに寝返り介助を行う技術を開発した。

寝返り介助の手順を具体的に解説し、肘を曲げずに利用者を寝返らせる方法を指南している。

この技術により介助者と利用者の負担を軽減し、スムーズに寝返りを行うことができる。

介護の手間がひとつ減る! ベッド脇に「サイドレール」をつけたままできる「腰にやさしい」寝返り介助

 病床ではベッド脇に設置されたサイドレールが欠かせなかったという根津氏。麻痺がある彼にとって「命綱」だったサイドレールは、介助のときにどうしても邪魔になる。かといって、いちいち外して設置し直すことをくり返していては、介助者が腰を痛めかねない。この板挟みのなかで考え出されたのが、サイドレールをつけたまま行う介助法だった。この記事では「サイドレールを外す」手間を省いて行える寝返り介助の技術を紹介する。

前編記事

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 【1】寝返りさせる側に立つ

まず介助者が、利用者を寝返りさせたいほうに立ちますベッドに片膝をつき、利用者の手首を親指・中指・薬指で取って、お腹の上で交差させます(介助者から遠いほうの腕を上にします)。

 【2】膝の位置をかえ利用者の手首をとる

手順【1】と同じ側の膝を利用者のすねの付近につき直します。そして利用者の上の腕の手首を、下から親指・中指・薬指で取ります。

 【3】腕を一直線にする

介助者が膝の位置を調節して、利用者と自分の腕が一本の棒のようにまっすぐになるようにします。あとの手順をスムーズに行うためには、肘を曲げないことが必要です。

 【4】利用者の脚に触れる

腕を一直線にしたまま、あいている手を利用者のすねに添えます。中指・薬指の先でふくらはぎに触れ、他の指は浮かしておきましょう。

 【5】介助者のヘソのほうへ腕を引く

介助者は肘を曲げ、利用者の腕を自分のヘソに向けて引きます。手順【3】で腕が一直線になっていれば、引く力が効率よく伝わって寝返り動作が生じます。

 【6】姿勢を維持する

利用者にサイドレールをつかんでもらい、介助者が骨盤を押さえれば体勢を維持できます。なお、末尾の動画では手順を一連の流れとして視聴することができます。また、書籍ではもっと詳しく手順を解説しているので、興味のある方は手に取ってみてください。