シマウマがシマ模様の理由は①体温調節②見つけにくいため どっち?身近な謎をサイエンス的に解説!

AI要約

シマウマの縞模様には様々な理論がありましたが、最も有力なのは虫除け効果説です。

シマウマの縞模様はアブやハエを寄せ付けにくくする役割があることが実験によって示されています。

科学の世界ではまだ解明されていない謎や新たな発見が多く、常識や学説が日々更新されていることが強調されています。

シマウマがシマ模様の理由は①体温調節②見つけにくいため どっち?身近な謎をサイエンス的に解説!

科学の常識は、新しい発見や研究によって日々更新されています。パパママ時代の常識が「過去の学説」となっていることも多々。「ゆーまん博士」の漫画で、最新科学をキャッチアップしましょう。今回はシマウマの縞の謎に迫ります!

シマウマのシマって不思議ですよね。

だって鹿もゾウも水牛も草食動物は全員地味です。派手な模様で目立ったら、ライオンやヒョウの餌食になるだけです。でもシマウマは誰が見ても派手です。

動物園に遊びに来たリカちゃん一家も首をかしげていますよ。リカちゃんのパパやママの世代までは、シマウマは「肉食動物に見つかりにくくするため」が理由でしたが、実際に見ると、どうやったって目立つでしょう、あれ。

どうしてシマウマはあんなに派手なシマシマ模様なのでしょうね?

シマウマがなぜシマ模様なのか?

昔はライオンやチーターといったネコ科の肉食動物が、色がまったく見えない、白黒の視界だから! というのが理由でした。

私たち人間にはめっちゃ目立つ派手なゼブラ柄も、白黒写真で見るとたしかに地味。背の高い草が生えているところで、群れで固まっていると、それはそれは見にくい。

なるほどなあとみんな納得していたんですが、ネコ科の動物の目をよく調べると、色が見えていることがわかりました。ただし赤色は見えません。青と緑だけの二色型色覚というもので、人間とは見え方は違いますが、色が見えないわけじゃなかったんです。全体にくすんで地味ですが、白黒の区別はできます。

困りました。シマウマのシマ模様はライオンにもはっきり見えちゃってます。シマウマ、ライオンが見ても派手でした。このままではライオンの晩御飯です。

では何のためにシマ模様があるのでしょうか。一時期は体温調整ではないかと言われていました。

シマ模様の白い部分は光を反射して涼しくなり、黒い部分は光を吸収して熱くなる。シマ模様は熱い部分と冷たい部分が交互になり、そこで小さく空気が渦を巻くというんですね。そして空気の渦が体の表面を覆って、体温を一定に保つと考えられました。

でもこれをちゃんと調べると、空気の渦はたしかにできるけど、体温を保つ効果はなかったんです。

今、一番説得力のある説はアブやハチに刺されにくいから説です。

アメリカの科学者がシマ模様の服を着て、どのくらいアブに刺されにくいかを身をもって実験しました。その結果、水玉模様や無地に比べて、シマ模様の服にとりつくアブの数が少ないことがわかりました。

だとしたら、他の動物もシマ模様にしたら、虫に刺されない? 愛知県農業総合試験場で牛をシマ模様に塗り、サシバエが寄らないようになるのかを実験しました。シマウマじゃなくてシマウシですね。

実験の結果、30分間で無地の牛にたかったサシバエの数は129匹、シマ模様の牛にたかった数は55匹と半分になったそうです。牛もシマウシにすると虫に刺されにくくなったんです。

なぜアブやハエはシマ模様が苦手なのでしょうか?

はっきりした理由はわかっていないんですが、どうやらシマ模様を見ると昆虫の平衡感覚がおかしくなるみたいなんですね。アブやハエは光るものは水だと考えるらしく、シマ模様が水の反射のように見えて混乱するとか。

シマウマのシマ模様は虫を寄せ付けないためでした。シマウマのシマ模様の秘密なんて、とっくにわかっていると思っていましたが、意外でした。わかっていないことが、まだまだいっぱいあるのが科学の世界なんです。

●シマウマのシマ模様の意味は、これまで迷彩、体温調節とさまざまな説があった

●現在いちばん有力なのは「虫除け」説