渋谷の「路上飲み」通年禁止へ 増える外国人観光客 “路上飲酒できる街” となぜ認識?
2024年6月5日夜、渋谷駅周辺で外国人観光客が路上で酒を飲む光景が目立つ。
渋谷区が路上飲酒を通年禁止する条例改正案を提出し、ゴミ問題が背景にある。
パトロール隊が路上飲酒を注意し、外国人観光客からの反応も明らかになる。
2024年6月5日夜、渋谷駅周辺を取材中に見かけたのは路上で酒を飲む、多くの外国人観光客の姿です。
イギリスからの観光客:
カンパーイ!!
酒に酔ったのか、突拍子もない行動をとる人たち…
今、増え続ける外国人観光客を巡り、渋谷の街のルールが変わろうとしています。
6月3日東京・渋谷区である条例の改正案が区議会に提出されました。それは、「路上飲酒を通年で禁止するもの」。
ハロウィーンなどの混雑期間に限って禁止していた路上飲酒ですが、それを一年を通して禁止するという条例改正案です。
時間は午後6時から午前5時。
エリアは、渋谷駅北側や宮下公園の周辺などになる見通しで、10月からの実施を目指します。
渋谷区の隣、新宿区でも、ハロウィーン期間中、歌舞伎町などで路上飲酒を禁止する条例案を提出します。
東京の繁華街で路上飲酒を禁止するという動きが広がる背景のひとつに挙げられるのが、ゴミの問題です。
取材スタッフ:
路上にはお酒の缶が、1,2,…5本落ちています。
渋谷駅の周辺では、酒の缶が大量に捨てられていました。さらに…
チェコからの留学生:
これは最高のテキーラさ。カンパイ!完璧だぜ!
酒を片手に盛り上がる人たち。こうした行為に、渋谷の商店街は…
渋谷センター街振興組合 鈴木達治理事長:
ごみ散乱の問題とか、いろんな迷惑行為。その近隣の店舗や来街者の方が非常に迷惑を被って不快な思いされてるっていう…
センター街の組合が、ゴミの処理などで年間に負担する金額は400万円から500万円にのぼるといいます。
こうした中、渋谷区から委託された民間のパトロール隊が、毎日午後8時から翌朝5時まで街を巡回し、路上飲酒などを注意しています。
渋谷区によると、今年4月、金・土・祝日の前日に駅前のセンター街で路上飲酒の注意を受けた1日の平均人数は、158.4人。前の月から50人ほど増加しました。
理由のひとつが円安によるインバウンドの増加。注意を受ける人の多くが外国人だといいます。英語を話せるパトロール隊員が注意を呼びかけます。
パトロール隊員:
こんばんは!渋谷をきれいにしたいのでここにゴミやタバコを捨てないでください。
アメリカからの観光客:
ごみ箱が見当たらなかっただけよ。
アメリカからの観光客:
ポイ捨てを注意されるのは、仕方のないことだね。
パトロール隊員:
カモン!カモン!座っちゃダメです。
2人組の外国人観光客のそばに置かれていたのは、缶ビールです。
パトロール隊:
ゴミを捨てて行かないで!持ち帰ってください。
オランダからの観光客:
分かりました!分かりました!