サクランボは丸ごと食べると危険? 一日の適正量や種に注意すべき理由を栄養士が解説

AI要約

サクランボは栄養価豊富な「天然のサプリメント」と呼ばれるフルーツで、糖質、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどが含まれている。

適量は一般的に一日200gほどが目安であり、サクランボ1粒が約8gであることから28粒で200gとなり、エネルギーは128kcal。

カロリーは低いが、食べ過ぎには注意が必要で、旬の味を楽しむ程度の量が適している。

サクランボは丸ごと食べると危険? 一日の適正量や種に注意すべき理由を栄養士が解説

 初夏の訪れを感じるフルーツ、サクランボ。日本では明治時代から本格的に栽培されるようになり、山形県での栽培が盛んです。旬は品種により異なりますが、5月下旬から7月とされ、さまざまな種類が市場に出回ります。小粒で甘酸っぱい味わいから、つい食べすぎてしまうことも。一日に何粒が適量なのでしょうか。また食べすぎによるデメリットとは? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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 サクランボはひと粒が小さいので、栄養をあまり意識せずに食べているかもしれません。しかし、「天然のサプリメント」と呼ばれるほどさまざまな栄養素が詰まっています。

 主成分はエネルギー源になる糖質です。果糖やブドウ糖がバランス良く含まれています。また、コラーゲン生成に欠かせないビタミンC、造血のビタミンといわれる葉酸をはじめとするB群、必要時に体内でビタミンAに変換されて皮膚や目を健康な状態に保つために働くβカロテン、抗酸化作用が期待されるビタミンEといったビタミン類を有します。

 このほかカリウムやリン、鉄などのミネラル、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸も含まれており、疲労回復や美肌作用、高血圧の予防効果などが期待されています。果肉の赤色の部分は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンによるものです。アントシアニンは、とくに目の健康に期待されている成分で、抗酸化作用があり、体内で活性酸素を除去する働きがあります。さわやかな甘みに関係するソルビトールは、便秘予防で知られる糖アルコールの一種です。

 サクランボを一日にどれくらい食べるのが適量なのか、とくに決まりはありません。厚生労働省や農林水産省によると、フルーツは一日200グラムほどが目安。その数字を基準に、サクランボ1粒を8グラム(廃棄率10%)とすると、約28粒で200グラムとなり、エネルギーは128キロカロリーです。

 数字だけ見るとカロリーは低いですが、一度に30粒近く食べるものではありません。「天然のサプリメント」と呼ばれるサクランボですが、旬の味を楽しむ程度の量がいいでしょう。