兵庫・維新系パワハラ県知事の「犠牲者」はもう1人いる! 別の職員の死亡「隠蔽」の疑い

AI要約

兵庫県が斎藤元彦知事のパワハラや疑惑で揺れる中、元職員の自殺や隠蔽疑惑が浮上。

斎藤知事が大阪・関西万博のPRで職員に過重労働を強いし、自殺に至った事実が露呈。

維新行政の責任重大で、「政策活動費」の適正な管理を求める声も高まっている。

兵庫・維新系パワハラ県知事の「犠牲者」はもう1人いる! 別の職員の死亡「隠蔽」の疑い

「犠牲者」は1人だけではなかった──。兵庫県が斎藤元彦知事のパワハラなど多くの疑惑で大揺れだ。内部告発文書を配布し、懲戒処分を受けた元西播磨県民局長の男性職員が自殺。片山安孝副知事が辞職する意向を知事に伝えているが、責任を問われた斎藤知事は地位に恋々としている。さらに実は、別の職員の自死を隠蔽している疑いが浮上した。

 元大阪府財政課長の斎藤知事は2021年に初当選。大阪以外で初めて誕生した維新系知事だ。元局長の告発は今年3月のこと。県議会関係者や報道機関に配った文書で、斎藤知事のパワハラや企業からの贈答品受け取りなど多岐にわたる疑惑を列挙。昨年11月開催の阪神・オリックス優勝パレードを巡る疑惑も出てくる。大阪府と県が連携し、大阪・関西万博のPRにまんまと政治利用したアレだ。

 運営費5億円はクラウドファンディング(CF)と協賛金で捻出。しかし、CFは思うように集まらず、協賛金獲得のために各部署の職員が駆り出されたという。

「大阪と兵庫が分担してスポンサーを呼びかけましたが、経済規模の違いから、どうしても大阪が先行する。それでも知事は『大阪に負けるな』と県職員にハッパをかけ続けた」(県関係者)

 協賛企業や関係各所との調整を担ったのが、県民生活部総務課のH課長だ。告発文書は県内企業への便宜供与の見返りに協賛金を集めた旨を“暴露”した上で、H氏に関し〈この一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たずにうつ病を発症し、現在、病気療養中〉と記していた。

 実際、H氏は今年1月から休職し、4月1日付の異動人事で県の外郭団体に出向。その直後に帰らぬ人となった。

「4月20日に自宅で自ら命を絶ったと聞いています。パレード直前は相当な超過勤務を強いられていたようです。ところが、県の現・元職員の訃報データベースでは彼の死が共有されていない。彼の死は5月の県議会で取り上げられましたが、斎藤知事の側近である彼の上司が答弁に立ち、『現時点では何も答えられない』と繰り返すのみ。H氏を知る人は皆、怒っています」(H氏の知人)

 H氏の自殺について斎藤知事は定例会見で何度聞かれても「個人情報」を理由に口を閉ざす。自殺の隠蔽は誰の指示なのか。県に聞いた。

「一般論ですが、遺族の意向でデータベースに掲載しないことはある。個別の職員の死去に関する事案は答えかねます」(総務部職員局人事課)

 万博PRのため、1人の尊い命が犠牲になったとすれば、維新行政の罪はあまりにも重い。

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