「東芝未来科学館」一般公開終了へ 60余年の歴史に幕

AI要約

東芝は2024年6月29日に東芝未来科学館の一般公開を終了することを発表した。同館は先端科学技術や産業遺産の展示、科学技術教育活動などを行ってきたが、事業ポートフォリオの変化に伴い見直しを行うこととなった。

一般公開終了後も産業遺産保存や歴史の伝承を目的とした博物館機能は継続されるが、今後は東芝の顧客やパートナー向けの公開に焦点を当てる。また、CSR活動の一環として行われていたイベントやサイエンスショーは終了する予定だ。

先端科学技術や事業情報の発信機能は、新たに開設された研究開発新棟「イノベーション・パレット」に引き継がれる。閉館前には、60余年の歴史が詰まった博物館を訪れる機会を逃さないようにしたい。

「東芝未来科学館」一般公開終了へ 60余年の歴史に幕

東芝は5月23日、同社の企業博物館「東芝未来科学館」(神奈川県川崎市)について、2024年6月29日に一般向けの公開を終了すると発表した。

 東芝は5月23日、同社の企業博物館「東芝未来科学館」(神奈川県川崎市)について、2024年6月29日に一般向けの公開を終了すると発表した。

 

事業内容の変化にあわせた見直し

 東芝科学未来館は1961年、東芝小向事業所内に「東芝科学館」として開設。その後、2014年に現在の同社川崎本社内へ移転し、「東芝未来科学館」に名称を変更している。

 

 同館は主に「東芝のもつ先端科学技術や事業の情報発信」「産業遺産の保存や歴史の伝承」「科学技術教育と啓発活動」の3つを目的に活動。定期的なイベントの開催にくわえ、常設展としてサイエンスショーや超伝導、からくりの実演や、世界初のラップトップPC「T1100」など貴重な産業遺産を公開するなど、子どもから大人まで幅広い層が学び、楽しむことのできる施設となっていた。

 

 一般公開終了の理由について同社は、グループ内の事業ポートフォリオがBtoC(一般消費者向け)からBtoB(法人向け)に移行していることに伴い、同館のあり方の見直しに至ったとしている。

 

博物館としての機能は継続

 6月29日に一般公開を終えた後も、産業遺産の保存や歴史の伝承を目的とした博物館機能は継続するが、東芝の事業の顧客やパートナー向けの公開が前提となる。

 

 同社がCSR事業の一環として実施している「川崎さいわい少年少女発明クラブ」は継続するが、東芝未来科学館内でのイベント、サイエンスショー、オンラインイベントなどは終了する予定だ。

 

 先端科学技術や事業の情報発信機能については、2月に開所した同社の研究開発新棟「イノベーション・パレット」に引き継がれる。

 

 東芝未来科学館はJR川崎駅から徒歩3分と好立地で、入場料も無料(事前予約制)。閉館前に60余年の歴史が詰まった博物館をじっくり見学してみるのもよさそうだ。

 

文● @sumire_kon