中国、月面基地に50カ国参加を目指す「グローバルサウスや西側の協力を歓迎」

AI要約

中国は2030年代に建設が予定されている月面基地計画「ILRS」への50カ国の参加を目指しており、既に10カ国以上と協定を結んでいる。

ILRSは有人基地としても利用される予定であり、中国は500の外国科学研究機関と5000人の外国科学研究員を招いて共同建設を進める予定。

中国は2023年中にILRSの管理機構を設立する予定だが、ロシアによるウクライナへの侵攻による外交的な圧力から計画が遅れている可能性がある。

中国、月面基地に50カ国参加を目指す「グローバルサウスや西側の協力を歓迎」

中国は同国が主導する月面基地計画「国際月面研究ステーション(International Lunar Research Station:ILRS)」への50カ国の参加を目指していることが、国営テレビ局中国中央電視台の英語チャンネル「China Global Television Network」(CGTN)で報じられた。

 ILRSは2030年代の建設が予定されている月面基地で、2035年以降は有人基地としても利用される。すでに中国やロシアのほか、ベラルーシ、パキスタン、アゼルバイジャン、ベネズエラ、南アフリカ、エジプト、ニカラグア、タイ、セルビア、カザフスタンなど10カ国以上と協定を結んでいる。

 中国の月探査計画のチーフデザイナーを務めている呉偉仁氏はCGTNに対して、「我々は50カ国と協力し、500の外国科学研究機関と5000人の外国科学研究員を招き、ILRSの共同建設に取り組むつもりだ」と述べている。

 「我々は南半球諸国、BRICS、そして西側諸国を含む、全ての国際協力を歓迎する」(呉氏)

 中国はILRSの建設を調整、管理する国際月面研究基地協力機構(ILRSCO)を2023年中に設立すると発表した。しかし、実際に設立されたかどうかは明らかになっていない。ロシアによるウクライナへの侵攻が招いた外交的な圧力から、ILRSのパートナーを惹きつける計画が遅れているとみられている。