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「もう、そうめんにしか見えない」 一日で散ってしまう熱帯の花が話題 「ゆでるのに失敗したヤツだ」
熱帯植物がSNSで話題になっている。その花は一日で散る珍しいもので、見た目は「そうめん」に似ている。
花の正体はパナマソウで、糸状の不稔のおしべを持つ。香りを出して昆虫を誘い受粉をさせている。
神代植物公園での開花過程が逐次Xで報告され、おしべは夜に咲き、翌朝には散ってしまう。
![「もう、そうめんにしか見えない」 一日で散ってしまう熱帯の花が話題 「ゆでるのに失敗したヤツだ」](/img/article/20240712/6690f202cf4eb.jpg)
夜に咲き始めて、1日で散ってしまうーー。そんな珍しい熱帯植物がSNSで話題になっています。注目されたのはその見た目。完全に「そうめん」なのです。この花の正体を聞きました。(withnews編集部・松川希実)
話題になったのは、東京都神代植物公園(調布市)のXアカウント(@ParksJindai)の投稿です。
《一日で散ってしまう素麺のような花が姿を見せました》
大温室にある「パナマソウ」の開花を知らせる投稿でした。
その画像には、白くて細長い糸のようなものが、波打ちながら、固まっています。
この投稿には「これがお花…!?」「ゆでるのに失敗したそうめんみたい」「珍しいお花なのに、もうそうめんにしか見えない」「めんつゆと薬味持ってきて!」とコメントが付き、画像は110万件以上表示されました。
神代植物公園に話を聞きました。
まず気になるこの「そうめん」のようなもの。一体なんなのでしょうか。
「糸状のものは(花粉をつくらない)不稔のおしべです」
おしべの1本の長さは約20センチもあるそうです。
花粉をつくらないとなると、どのように受粉するのか、なぜあんな形になったのか、謎は深まりますが、「開花時に強い香りを出して、昆虫を誘い受粉をさせていることは知られています」「ただ、それだけの役割ではないと考えられるため、より詳しく不稔のおしべについて調べましたが、明確な情報が記載されている資料が見つかりませんでした」とのこと。
「パナマソウ」の様子は、Xで、7月10日から次々と発信されました。
同日午前9時ごろには、苞(ほう=葉が変化したもので花を保護したり花びらの代わりをするなどの役割がある)が少しずつはがれ始めました。
同日午後3時には苞の中におしべがだいぶ見えてきました。
そして午後4時ごろに、片面側の苞が完全にはがれて、「そうめん」のようなおしべが姿を現しました。
開花すると、糸状の不稔のおしべは徐々にほぐれて、垂れ下がるそうです。「撮影した時にも、フルーティーでしつこくない、さわやかな良い香りがしました」
夜にほぐれて、翌朝には落ちてしまうそうです。