最高の「避暑地」はどこにある? 100年分の気象庁データから探ってみた 意外な〝東京都の穴場〟は

AI要約

日本の観測史上最も暑い7月が記録されたことから、気象庁の100年間の観測データを元に各地の気温の変化を調査。

東京では8月の平均気温が1.9度上昇し、猛暑日も増加。一方、千葉県勝浦市は涼しく1.1度上昇した程度。

京都市が100年で最も気温上昇が激しく、2.6度上昇。対照的に北海道室蘭市は0.4度下がっている。

最高の「避暑地」はどこにある? 100年分の気象庁データから探ってみた 意外な〝東京都の穴場〟は

暑くて暑くて暑~い日が続いています。今年の7月は日本の観測史上、平均気温が最も高い7月となりました。もうウンザリだ、どこかへ逃げたいーーそう思っているかたも多いことでしょう。でも、逃げるったって、どこへ行けばいいの? 100年分に及ぶ気象庁の観測データから探してみました。(朝日新聞デジタル企画報道部・小宮山亮磨)

気象庁は全国1300カ所以上に設置している観測所で、気温などのデータをとり続けています。

最近の夏が暑い原因のひとつと言われているのは、地球温暖化による長期的な気温上昇。

そんなわけで私たちは今回、気象庁が1924年以降の、つまり100年分のデータを公開している観測所を77カ所見つけて、各地における8月の平均気温がどう変わってきたか、調べました。

たとえば東京都千代田区はどうでしょうか。

2019~2023年の直近5年間を平均すると、8月の平均気温は28.3度。年による変動はもちろんあるのですが、100年間でおおよそ1.9度上がっています。

「猛暑日」にあたる最高気温が35度以上の日は、1924年からの5年間では計4日間だけだったのに、2023年までの直近の5年間では計38日間に達していました。

都心の猛暑をよそに、驚くほど涼しいまちとして最近話題なのが、千葉県の勝浦市です。

ここでは直近の5年間だと、8月の平均気温は26.8度。100年間での上昇幅は、約1.1度となっています。

東京都心と比べると確かに涼しく、気温の上がりかたもそれほど大きくありません。最高気温35度以上の日は、これまで1日たりとも記録されていないのです。

全国77カ所の観測所のなかで、100年間での気温上昇がもっとも激しいのはどこでしょうか。

答えは、京都市。8月の平均気温は100年間で約2.6度上がり、直近だと29.4度になっています。

最高気温35度以上の日は、1924年からの5年間では計13日間でしたが、直近の5年だと計77日間になっていました。

次いで名古屋市。やはり2.6度ほど上がって、直近の8月平均気温は29.0度でした。

3位以下は前橋市、岐阜市、熊谷市と、暑さで名前があがることが多い内陸の都市が並んでいます。

では逆に、気温が上がっていないのは?

北海道室蘭市は、8月の平均気温は100年間でむしろ0.4度ほど下がり、直近だと21.8度となっています。

続いて、岩手県宮古市、北海道寿都町、宮城県石巻市、北海道根室市。これらの5カ所は、100年間の上昇幅が約0.2度以下におさえられています。

いずれも北海道や東北など。涼しい地域は比較的涼しいままで変わっていない、ということでしょうか。