ESA新大型ロケット「アリアン6」、初飛行迫る–7月10日明け方に打ち上げ

AI要約

ESAの新型大型ロケット「Ariane 6」の初飛行が迫ってきた。2020年のデビュー予定から延期され、今回は8機のキューブサットを打ち上げる予定。実施する様々な軌道実験も注目だ。

「Ariane 6」は欧州が運用する大型ロケット「Ariane 5」の後継機で、より多くの物資を運び、ロケット上段を持続可能な方法で処分することができるように設計されている。

ロケットの性能や特徴、初飛行の詳細についても述べられており、期待が高まる。

ESA新大型ロケット「アリアン6」、初飛行迫る–7月10日明け方に打ち上げ

欧州宇宙機関(ESA)の新型大型ロケット「Ariane 6」の初飛行が迫ってきた。仏領ギアナのギアナ宇宙センターから現地時間7月9日午後3~7時(日本時間7月10日午前3~7時)に打ち上げられる(打ち上げ30分前からライブ中継される)予定。

 Ariane 6は欧州が運用する大型ロケット「Ariane 5」の後継機で、2段式の使い捨てロケットだ。もともとは2020年のデビューが予定されていたが、打ち上げスケジュールは何度か延期。2026年までに年間9~12回の飛行が見込まれている。

 初飛行となる今回のミッションでは、Ariane 6は8機のキューブサットを地球低軌道(LEO)に打ち上げる予定だ。またロケットは、大気圏へ帰還する2機の再突入カプセルなど、さまざまな軌道実験も実施する。

 「Ariane 6には数多くの新機能が搭載されていて、より多くの物資を運び、より遠くまで運ぶことができると同時に、ロケット上段を持続可能な方法で処分し、宇宙ゴミになるのを防ぐことができる」とESAは述べている。

 Ariane 6は全長63m、直径5.4m。「Ariane 62」と「Ariane 64」という2つのバージョンがある。Ariane 62は固体ロケットブースターが2機、Ariane 64は固体ロケットブースターが4機となっている(今回打ち上げられるのはAriane 62)。1段目のコアステージには、新型エンジン「Vulcain 2.1」を搭載している。

 Ariane 62は静止遷移軌道(GTO)に約4.5t、LEOに約10.3t、Ariane 64はGTOに約11.5t、LEOに約21.6tのペイロードを打ち上げられる性能となっている。