米ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」、トラブル続きで地球帰還に遅れ…1週間→1か月超

AI要約

米ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」の地球帰還が大幅に遅れている。米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人を乗せて6月6日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着後、約1週間滞在して帰る予定だったが、宇宙船の機器故障への対応で既に1か月を超えた。

スターライナーはISSへ飛行士を運ぶための宇宙船として開発され、6月5日、初めて人を乗せてフロリダ州から打ち上げられた。

NASAは「飛行士が宇宙で立ち往生しているわけではない」と強調するが、スターライナーの実用化は米スペースXの宇宙船「クルードラゴン」の運用開始から4年遅れており、ボーイングの開発能力を不安視する声が出始めている。

 【ワシントン=冨山優介】米ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」の地球帰還が大幅に遅れている。米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人を乗せて6月6日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着後、約1週間滞在して帰る予定だったが、宇宙船の機器故障への対応で既に1か月を超えた。帰還は、安全確認を終える今月中旬以降になる見通しだ。

 スターライナーはISSへ飛行士を運ぶための宇宙船として開発され、6月5日、初めて人を乗せてフロリダ州から打ち上げられた。

 だが、打ち上げ前に燃料の制御に使うヘリウムガスの漏えいが確認されたほか、ISS到着時も、28基ある姿勢制御用の推進装置のうち5基の故障が判明し、接続が1時間以上遅れた。

 NASAとボーイングは、漏えいは微量で安全上の問題はないと判断していたが、1か所だった漏えい箇所が飛行後は5か所に増えていた。同型の推進装置の試験を地上で行って原因を調査する方針だが、調査結果を検証しないと帰還の可否が判断できないという。

 NASAは「飛行士が宇宙で立ち往生しているわけではない」と強調するが、スターライナーの実用化は米スペースXの宇宙船「クルードラゴン」の運用開始から4年遅れており、ボーイングの開発能力を不安視する声が出始めている。