月周回有人拠点「ゲートウェイ」動画公開–何人が何日暮らせる?

AI要約

米航空宇宙局(NASA)は月の軌道を周回する宇宙ステーション「Gateway」の動画を公開した。Gatewayは、Artemis計画の一環として建設され、提携国が参加している。

Gatewayは、月の軌道を周回し、4人の宇宙飛行士が30日間滞在できるサイズである。NRHO軌道に位置し、地球との通信を確保するための利点がある。

Gatewayは最も強力な太陽光発電を持つ宇宙船であり、PPEとHALOなどから構成される。国際宇宙機関が参加し、月の探査や通信の中継に活用される。

月周回有人拠点「ゲートウェイ」動画公開–何人が何日暮らせる?

米航空宇宙局(NASA)は米国時間6月25日、月の軌道を周回する宇宙ステーション「Gateway」(ゲートウェイ)の動画を公開した。

 Gatewayは、米国が主導し、欧州や日本が参加する有人月面探査計画「Artemis」(アルテミス)の一環として建設される。サイズは国際宇宙ステーション(ISS)の7分の1~6分の1程度であり、、4人の宇宙飛行士が年間30日ほど滞在できるという。

 Gatewayは、最も近いところ(近月点)で高度約4000km、最も遠いところ(遠月点)で高度約7万5000kmで月の北極と南極を周回する月長楕円極軌道(Near Rectilinear Halo Orbit:NRHO)に乗る。

 NRHOは、軌道面が常に地球を向いていることで地球との通信を常時確保可能。地球からのNRHOへの到達エネルギーは月の低軌道までの70%程度と輸送コストが比較的小さいと考えられている。月の南極が見えている時間が長いことから、月の南極探査の通信中継としてもNRHOは都合がいい軌道とされている。

 Gatewayは、電気・推進エレメント(Power and Propulsion Element:PPE)、居住・ロジスティクス拠点(HAbitation and Logistics Outpost:HALO)、国際居住棟(Lunar International HABitation module:Lunar I-HAB)などで構成される。

 NASAの解説によれば、Gatewayはこれまで飛行した中で最も強力な太陽光発電の宇宙船になるという。PPEがキセノンガスをイオン化して推力を発生させ、GatewayをNRHOに固定する。

 HALOは、Gatewayのコマンドや制御の中心となり、運動機器や生命維持などのシステム、科学機器が格納される。欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発するLunar I-Habには、環境制御や生命維持などのシステム、寝室、調理室などが設置される。アラブ首長国連邦は科学エアロックを、カナダは外部ロボットアーム「Canadarm3」を提供する。