「H3」3号機JAXA開発リーダー、「2号機成功がまぐれではないこと証明する」…7月1日打ち上げ

AI要約

日本の新たな大型主力ロケット「H3」3号機の打ち上げが、7月1日に迫っている。開発チームは前回の失敗から学び、連続成功を目指して取り組んでいる。

有田さんはプロジェクトマネージャとして、2号機の成功に引き続き、3号機の成功を誓い、ロケットの国際競争力を高めるために努力している。

H3はH2Aロケットの後継機として、打ち上げ価格を半減させる目標を掲げており、世界に愛されるロケットを目指して開発が進められている。

 日本の新たな大型主力ロケット「H3」3号機の打ち上げが、7月1日に迫った。開発チームを率いる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有田誠プロジェクトマネージャ(59)は読売新聞の単独インタビューなどに対し、コストを抑えた国際競争力のある「世界に愛されるロケットにしたい」と話し、2号機に続く連続成功を誓った。

 H3は、昨年3月の初号機失敗を経て、今年2月の2号機で初めて打ち上げに成功した。有田さんは元々、開発チームのサブマネージャだったが、今年4月、岡田匡史プロジェクトマネージャ(現・理事)の後任としてバトンを受け取った。

 成功の喜びも失敗の苦い経験も味わった有田さんは、「2号機がまぐれではないことを証明するため、3号機は必ず成功させないといけない」と気を引き締める。

 初号機は、搭載した政府の地球観測衛星「だいち3号」もろとも喪失した。2号機は失敗リスクを考慮して政府の衛星を搭載しなかったが、3号機は「だいち4号」を載せる。有田さんは「大事な衛星を落としてしまった責任を感じている。今回は何としても軌道に届けたい」と雪辱を誓う。

 H3は今年度中に退役するH2Aロケットの後継機で、国際競争力を高めるため、打ち上げ価格をH2Aの約100億円から半減させる目標を掲げる。有田さんは「世界の人たちに愛され、使っていただけるロケットにすることが目標であり夢だ」と決意を述べた。