体脂肪率20%落としたダイエット 「運動してるのにやせない」落とし穴 日常生活で実践〝医学的な工夫〟

AI要約

ダイエットを科学的根拠に基づいて紹介。

肥満の定義やリスク、治療方法について解説。

食事療法と運動療法の重要性を強調。

体脂肪率20%落としたダイエット 「運動してるのにやせない」落とし穴 日常生活で実践〝医学的な工夫〟

もうすぐ夏本番を迎える時期、ダイエットをして自分の理想の体型に近づけたいと思う人もいるのではないでしょうか。しかし、世の中にはダイエットについて、効果がないばかりか、逆効果になる情報もあふれています。命にかかわる高度肥満の状態から、現在までに体脂肪率を20%以上、落とした経験のある記者が、これからダイエットを始める方に向けて、科学的根拠があり、自分でも実践してきた医学的な工夫を紹介します。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)

そもそも、医学的に「ダイエット」が必要なのは、どのような人でしょうか。日本肥満学会が発行する『肥満症診療ガイドライン2022』では、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態」で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で計算される体格指数(BMI)が「25以上」を肥満と定義しています。

ちなみにBMIが25以上でも、ボディビルダーのように、脂肪の蓄積がなければ肥満ではありません。過度のダイエットは健康を害するため、注意が必要です。

2015年ごろ、私は身長175cmに対して体重が115kg(体脂肪率は35%ほど)でしたから、BMIは37.5。同ガイドラインでは高度肥満に該当します。

肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症、脂肪肝、高尿酸血症などたくさんの生活習慣病を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの心・脳血管疾患やがん、認知症などを発症・増悪させるリスクです。肥満の人が体重を減らすことによって、このリスクを下げるメリットがあります。

2024年現在、私は体重72、3kg(体脂肪率は15%以下)なので、健康に近づいたと言えるでしょう。

医師の診断により、実際に健康障害を伴うか、伴うことが予測され、減量が必要だとされた場合は、肥満症として治療がなされます。

実際に治療をするときに、基本になるのは食事療法と運動療法です。肥満の主な原因は過食と運動不足なので、食べる量を減らし、動く量を増やすことで、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを消費の方に傾けるように指導されます。※太りやすさには体質も関わり、肥満を伴う遺伝病もあります。