加藤登紀子が母校・東大安田講堂で初ライブ「心が熱くなりました」

AI要約

歌手加藤登紀子(80)が東京・文京区の母校で初のコンサートを開催し、「能登半島地震被災者支援チャリティコンサート」として代表曲を披露。

加藤登紀子は日本の平和な時間の危うさに言及し、世界中での戦火への懸念を表明。

能登の震災について語り、被災者支援の重要性と日本の文化の豊かさを指摘。

加藤登紀子が母校・東大安田講堂で初ライブ「心が熱くなりました」

 歌手加藤登紀子(80)が14日、東京・文京区にある母校の東大安田講堂で「能登半島地震被災者支援チャリティコンサート」を開催した。これまで、イベントなどで講堂のステージに立ったことはあるが正式なコンサートは初めて。この日のために発足した「東大同窓生オーケストラ」と初共演した。

 声優を務めたアニメ映画「紅の豚」の劇中歌「さくらんぼの実る頃」とエンディング曲「時には昔の話を」、代表曲「百万本のバラ」などを次々と披露。今年4月に被災地・能登を訪問した時の印象から作ったメッセージソング「風が吹いています」も初歌唱した。

 学生運動を指揮して逮捕され、拘置所にいた恋人・藤本敏夫さんの孤独を思って作った「ひとり寝の子守唄」もギターの弾き語りで歌った。「彼の出所の日がレコーディングの日でした」。

 終演後、取材に応じた。「ちょっと心が熱くなりました」が第一声。そして「日本は平和な時間を長く守れたけど、やっぱりとても危うい。戦争に巻き込まれやしないかっていうような時代がまた再び来てる」と、世界中で戦火の絶えない時代への懸念を口にした。

 また能登についても思いを語った。「今日を生き抜くために生きるということを限りなく人は続けてきたわけです。能登の震災を見た時に日本が歩いてきた道が全部見えると思った。このように日本は文化を紡いできたんだと。文化の豊かさみたいなものが能登の被災の姿には残っている。それが何ともいとおしくて懐かしくて。そういう意味でもここをみんなでもっと頑張って守った方がいいよって、ここがそのまま戻れない街になってしまったときには、日本は失うものが大きいと思います」と語った。

 公演の収益全額は日本赤十字社を通じて被災者に寄付する。