能登半島地震でDMAT指揮した医師、現地の混乱など報告…「情報共有できていれば」教訓学ぶ

AI要約

能登半島地震を教訓とする防災シンポジウムが開催され、被災地支援に携わった医師と職員が活動報告を行った。

近藤久禎さんはDMATチームを指揮し、避難所の医療や社会福祉施設への支援に努めた。

混乱を振り返り、情報共有の重要性を強調し、災害時の情報共有システムの構築を呼びかけた。

 能登半島地震の教訓を学ぶ防災シンポジウムが13日、北九州市小倉北区の北九州芸術劇場で開かれた。被災地支援に取り組んだ国立病院機構本部DMAT事務局次長で医師の近藤久禎さん(54)と同市、福岡県苅田町の職員が現地での活動を報告した。

 防災意識を高めてもらおうと、西日本工業大(苅田町)が主催し、地元住民や同大学生など約200人が参加した。

 近藤さんは、地震発生翌日の1月2日から石川県庁に入り、DMAT(災害派遣医療チーム)を指揮。避難所の重症患者を医療につなげたり、医療機関や社会福祉施設の電気、食料などの確保に取り組んだりした。

 社会福祉施設向けの食料が避難所へ流れてしまうなどの混乱もあったと振り返り、近藤さんは「社会福祉施設の支援は情報共有ができていればもっと早かった。医療の逼迫にもつながりかねず、情報共有システムの構築を考えておかないといけない」と訴えた。