だから大谷翔平は何度も前人未到をやってのける…世界初"50-50"達成の背景に挑戦を支えた"恩師の言葉"

AI要約

先入観を持たずにものを見て、挑戦することの大切さを示す大谷翔平のエピソード。

栗山英樹や佐々木洋の言葉により、大谷は可能性を信じ挑戦し続けてきた。

ビジネスの世界でも、先入観を捨てて新しい可能性に挑戦する姿勢が重要である。

前人未到の50本塁打50盗塁を達成した大谷翔平選手。なぜ、新記録を打ち立て、人々を驚かせ続けることができるのか。経済・経営ジャーナリストの桑原晃弥さんが高校時代や日本ハム時代、そしてMLBのスーパースターとなってからの言動を振り返り、強さの原点を探った――。

 ※本稿は、桑原晃弥『限界を打ち破る 大谷翔平の名言』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。

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大谷翔平の名言1

先入観は可能を不可能にする 『大谷翔平 野球翔年I』

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 大谷翔平の恩師の1人、栗山英樹が大切にしている考え方の1つに「予備知識は重いほどいい。先入観は軽いほどいい」があります。栗山が現役選手時代の監督・野村克也の言葉です。

 栗山によると、野球というデータがものを言うスポーツにおいては、予備知識というのは作戦を練るうえでとても大切なものですが、それが「先入観」になってしまうと、「この選手はこうだ」「この選手はチャンスに弱い」といった決めつけにつながり、本来、見えるはずのものが見えなくなるという怖さがあるというのです。

 たしかに大谷翔平が日本ハムに入団するにあたり、ほとんどのプロ野球関係者が「二刀流なんてできっこない」と批判したのは「球界の常識」に反するという、言わば「先入観」のなせる業でしたが、栗山は先入観なしに大谷という選手の才能や素質を見ることで、「もしかしたらできるんじゃないか」と思えたからこそ大谷の挑戦を本気で後押しすることができたのです。

 先入観を持たずにものを見て、挑戦することの大切さを、大谷は高校時代に経験していました。大谷は花巻東高校時代に当時としては考えられなかった「160キロ」を目標にしていますが、この時も「できないと思ったら終わりだ」と自分に言い聞かせながら練習に励むことで高校3年生の時に見事に達成しています。こう振り返っています。

 「自分で無理じゃないかと思ってたら(160キロ達成は)できなかったと思います。だから、最初からできないと決めつけるのはやめようと思いました」

 この時の経験がその後の大谷に大きな自信を与えるわけですが、当時、高校生の大谷を支えていたのが監督の佐々木洋に言われた「先入観は可能を不可能にする」という言葉だったのです。

 以来、大谷は日本で、そして大リーグで不可能と思えるようなことを次々に実現していますが、それを可能にしたのは、「できない」という先入観を捨て、「やってみよう」「できるはずだ」と果敢に挑戦を続けてきたからなのです。

 ビジネスの世界でも、最初から「できない」と思い込んでしまうと、本来は「できる」はずのことまで「できなくなってしまう」というのはよく言われることです。難しい課題にぶつかったなら、つい「無理だ」と言い訳をしたくなるものですが、まずは先入観や思い込みを捨てることが「無理」を「できた」に変えてくれるのです。

 ワンポイント:先入観を捨て、白紙でものを見ること、「やってみる」ことを習慣にしよう。