“墓じまい”急増で供養の形が多様化、離断料でトラブルも 注目集める「海洋散骨」の現場を取材
最近墓じまいが増えており、海洋散骨などの新たな供養方法が注目されている。
海洋散骨業者による代行散骨の需要が高まっており、海洋散骨の件数も増加している。
墓じまいの方法の一つとして選択される海洋散骨では、遺骨を海に散骨している。
(足立夏保アナウンサー)
最近、墓じまいという言葉を耳にするようになったと思います。墓じまいは、お墓から骨を取りだして、墓石を解体して、更地にした後に、新たな方法で供養するということです。今、墓じまいが増えていて、この10年近くで、墓じまいなどの改葬件数が2倍近くになっています。
墓に入るだけではない、変化する供養の方法について、まずはこちらをご覧ください。
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澤井耀平 記者
「今まさに、海に散骨されています」
大阪府泉南市。海洋散骨をする業者「Aクルーズ」が、出港に向け準備を進めていました。この日行われるのは、遺族の代わりに弔う代行散骨です。
14年前に、この仕事を始めた天井十秋さん。ここ数年、海洋散骨の需要の高まりを感じているといいます。
実際、国内の海洋散骨の件数は、6年前に比べ、倍以上となっています。
船はガイドラインに従い、陸から2キロ以上離れた場所に向かいました。
Aクルーズ 天井十秋 社長
「ここに時間・日付・北緯・東経が出ます。後ほど、散骨証明書を発行して、今日いまから撮影をしながら進めていきまして、1冊のフォトアルバムにして、その中にここの図を印刷して、確かに見送りましたよと」
船に乗れない高齢者や、遠方に住んでいて同行できない遺族が、代行を委託するケースが多いといいます。
この日見送られたのは3人。預かった遺骨はパウダー状にし、基本的には、水に溶ける紙に包み、散骨します。
散骨の費用は、遺族が実際に乗船し見送る場合など、ケースにより異なりますが、今回のような代行散骨の場合は税込み4万4000円からです。
Aクルーズ 天井十秋 社長
「墓じまい自体の増え方の体感で言うと、この5年くらいでおそらく10倍くらいになっていると思います」
墓じまいの方法の一つとしても選択される海洋散骨。供養の形も多様化しています。
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