「火葬は4時間かかります」に疲れ果てた遺族は唖然…火葬場職員の命を費やした壮絶火葬体験

AI要約

YouTubeチャンネル「火葬場奇談」の下駄華緒さんが火葬場職員時代の体験を明かし、漫画化もされた壮絶なエピソードに注目が集まっている。

下駄華緒さんが体験した大型の火葬や灼熱の焼場での過酷な作業についてのエピソードが紹介されている。

記事を通じて、人生の尊さや最期に携わることの重みについて考えさせられる内容となっている。

「火葬は4時間かかります」に疲れ果てた遺族は唖然…火葬場職員の命を費やした壮絶火葬体験

これまでに1万人のご遺体を見送った下駄華緒さんが火葬場職員時代の体験を明かし、注目を集めているYouTubeチャンネル「火葬場奇談」。その壮絶な体験は「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」(原案:下駄華緒/漫画:蓮古田二郎)として漫画化され、話題を集めている。

寄せられた反響について下駄華緒さんはこう話す。

「感想もそうなのですが、思っていた以上に感謝の声が多くてびっくりしました。1番数が多く頂いたのは、本を読んでから自分の親族のお骨あげに行かれた方が、その時の記憶が鮮明に残り良かったというお声です。今まで何も知らずに行った時は、なかなか記憶に残らなかったそうですが、本で知識を得てから行かれたお骨あげは『記憶に残る』ということです」

記事前編では、身体の大きな方の火葬にまつわるエピソードを取り上げた。大型炉での火葬は「緊急事態」だというが――。

ある夏の日、下駄さんの働く火葬場に非常に150kgの巨漢男性のご遺体が運ばれてくることになった。

身体の大きな方は普通の棺には入らないため特注の「大棺」さらには「特大棺」にお納めすることになる。その巨大な棺は普通の火葬炉には入らないため大型炉が必要になるのだが、どこの火葬場にも大型炉があるとは限らない。地元の火葬場から断られ、やっと見つけた遥か遠方の火葬場に疲れ果てたご遺族がやって来る…ということも起こり得る。

下駄さんの先輩曰く、かつて250kgのご遺体の火葬を行ったこともあるのだという。

「その時のご遺族もうちにたどりついた時はもうへとへとだったんだが、申し訳ないことに、普通なら2時間で終わる火葬が、4時間はかかることを告げなければならなかった」

それを聞いてご遺族は唖然…。灼熱の焼場に長時間立ち続け、待てども待てども水分すら炊き出してこない…。その過酷な火葬体験は先輩にとってあまりに印象的だったという。

その話を聞いて下駄さんは「あの灼熱の焼場に4時間…。僕にできるだろうか…」と戸惑う。そんな下駄さんに、先輩職員は「なんとかするしかないんだよ。人生最後の最後で放り出されたあら、故人様もたまらんだろ」と声をかけるのだった。

そして、いざご遺体が火葬場に到着。

「実際目にする大棺は圧倒的でした。普通は4人で故人様を場内にお連れするのですが、この時はご遺族の方々にお願いして大勢でお連れしました。

そして火葬が始まりました。夏場の焼き場は灼熱で、氷水につけたタオルで冷やしながら作業します。水分が出てくるまでにやはりずいぶん時間がかかりましたが、お体が大きい分、吹き出す体液の量も凄まじいものでした」(下駄さん)

結局、その火葬にかかった時間は3時間。ご遺族様をお見送りする際には、下駄さんは数時間前とは見違えるほど消耗し切ってしまったが、何とかやり遂げることができたのだった。

いかがだろうか。人生の最後に携わる人々の物語――今一度「生きること」や「命の尊さ」について考えてみるきっかけになるかもしれない。

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下駄華緒/元火葬場職員。2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。怪談最恐戦2019怪談最恐位。火葬場職員時代の経験を生かしたYouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題。Twitterアカウント⇒@geta_hanao

蓮古田二郎/千葉県在住。二児の父。背景は妻が担当。主な著書に「しあわせ団地」(講談社)がある