涼しげ~。アシカの気持ちになって海を泳いでみよう

AI要約

オーストラリア南部の海岸近くに生息するアシカにカメラをつけて撮影された映像が海洋学的研究に活用されました。

アシカの泳ぐ姿や異なる生息地の様子が映し出され、広範囲な海底の生息地をマッピングする効果的な手法であることが示されました。

こうした取り組みは過去にもあり、海洋生物の生態調査に貢献しています。

涼しげ~。アシカの気持ちになって海を泳いでみよう

連日のようにうだるような暑さが続いています。

いっそのこと海で暮らしたいレベルですが、叶いそうにないので、アシカにカメラをつけて海の生活を垣間見るのはいかがでしょう? 研究のための映像ですが、涼しげだし見ていて気持ちがいいんですよ。

オーストラリア南部の海岸近くには、絶滅危惧種のオーストラリアアシカが生息しています。このアシカにカメラを装着して、生息地や海底の映像を撮影。その研究がFrontiers of Marine Scienceに掲載されました。

カメラが映し出したのは、優雅に泳ぐオーストラリアアシカの姿だけでなく、水深5mから110mの間にある6つの異なる生息地でした。具体的には以下の通りです。

海藻が繁茂する「海藻礁」や「海原」

何も生えていない「砂」

「海綿」や「砂」が多いエリア

「生物礁」

無脊椎動物が集まる「岩礁」

アシカのような捕食海獣にカメラをつけると、涼しげな姿を楽しみながら生息地を知れるだけでなく、「広範囲にわたる海底の生息地を効率的にマッピング」ができます。

研究チームは約89時間にわたる映像を使って、カンガルー島近くの大陸棚の生息地をモデル化した上に、別チームが21年間観測/測定したことで得られた海洋学的データも入力して、より詳しい沿岸環境の全体像を書き出したそうです。

海に生息する哺乳類にカメラを装着するアイデアは新しいものではないので、過去も例があります。

例えば2022年には、アメリカ軍に関係のあるイルカにカメラをつけて、カリフォルニア沿岸の映像が撮影されています(SFみたいな話ですが本当です)。

2023年には、別の研究チームがゾウアザラシの睡眠パターンを調査する際に衛星GPSとカメラをつけて、位置と速度を記録しているんです。

オーストラリアアシカは、ここ40年ほどで60%以上も個体数を減らしているそうです。今回の映像を見て、アシカが暮らす環境をしっかり保全しなければ、という気持ちになりました。