子どもを食らう巨人が現れた! 高校生の彫刻、こだわりの筋肉はペットボトルで作成

AI要約

福田麗香さんが制作した彫刻作品は、第47回全国高校総合文化祭に出展された。テーマは「平和」であり、ゴヤ作を立体化した巨人が壁を破って現れる作品だ。

制作の際には、巨人の迫力を表現するために頭を大きくし、モノトーンで体を表現。壁に描かれた鳥は、福田さんの飼っているインコがモデルとなっている。

制作中にはペットボトルを使った筋肉の形や作品のサイズ調整など、様々な苦労や工夫があった。

子どもを食らう巨人が現れた! 高校生の彫刻、こだわりの筋肉はペットボトルで作成

大きく口を開けた巨人が、壁を破壊し現れる。この彫刻作品は、第47回全国高校総合文化祭(2023かごしま総文)の美術・工芸部門に出品されました。制作者の福田麗香さん(千葉・東金高校3年)に、作品に込めた思いを聞きました。

―作品のテーマを教えてください。

テーマは「平和」です。ゴヤ作「我が子を食らうサトゥルヌス」を立体にしてみようと思いつきました。

制作当時はコロナ禍のうえ、ロシアのウクライナ侵攻や安倍元首相銃撃事件があり、世の中に不穏な雰囲気が漂っていました。その雰囲気とサトゥルヌスの悲劇的な表情が不思議にリンクして想像でき、どうせなら「平和の壁をぶち壊して現れる巨人にしよう」と決めて作りました。巨人には当時の新聞を貼っています。

―こだわったり、工夫したりしたポイントは?

巨人の迫力を出すのに、頭を大きめにして筋肉を大胆に表現しました。体はモノトーンにし、歯だけ彩色して不気味さを際立たせています。

平和の象徴として壁に鳥を描きましたが、実は私の飼っているインコがモデルです。巨人の恐ろしさとインコのかわいらしさを対比的に表しました。

―難しかった点を教えてください。

ペットボトルを切って筋肉の形に合わせていくのが難しかったです。貼り付けながらバランスを見て調整していくので、ペットボトルを縦に切ったものや斜めに切ったものをいくつも用意して、やや強引にテープでぐるぐる巻きに固定しました。専用の発熱式カッターを使ったので、やけどをすることもありました。

―苦労した点はありますか?

一番苦労したのは作品を既定の大きさに収めることでした。迫力を出したいという思いから大きくなりがちで、重さを支えきれずに形がゆがんで膨らんでしまうこともありました。そのため腕を根元から切り離して、もう一度くっつけ直すという荒業をすることもありました。

―制作中、印象に残ったエピソードがあれば教えてください。

髪の制作は脚立に乗っての作業だったので、美術室を高い所から見て新鮮な感じがしました。新聞を貼り付ける際は、部分的に切り取られておかしな意味になっていたり、面白い内容の記事があったりして、友達と笑いながら作業しました。

―よい作品を作るためのコツや、上達のためにおすすめの練習方法を教えてください。

やりたいと思ってもどう実現したらよいかわからないときは、先生に相談することです。先生はいろんな知恵を出してくれます。