右足がもぎ取られた奇兵隊陣笠姿のキャラ、美術部員の「治療」で復活

AI要約

下関市の赤間神宮前にある「せきまる」の郵便ポストが破損し、地元の名陵中学の美術部員が修理に成功した。

生徒たちは石粉粘土で模型を作り、3Dプリンターで新しい足を制作して完治させた。

市のSNSで話題になった修理作業は、学校と行政の協力で地域への愛着を深める役割を果たした。

右足がもぎ取られた奇兵隊陣笠姿のキャラ、美術部員の「治療」で復活

 山口県下関市の赤間神宮前にある郵便ポストに設置された、市のメインキャラクター「せきまる」。5月に右足がもぎ取られているのが見つかったが、近くの名陵中学校(水野修校長、112人)の美術部員が「治療」にあたり、先月24日に完治した姿が公開された。

 「せきまる」はフグとクジラを組み合わせ、奇兵隊の陣笠、唐戸市場の業者の長靴を身に着けたキャラクター。昨年から市内5カ所のラッピングポストの上に設置されている。

 今年5月23日。市役所への職場体験で赤間神宮に立ち寄った名陵中の生徒2人が「せきまる」の足がもぎ取られていることを知った。そのうちの1人が美術部員だったことから、市が同校美術部に「治療」を依頼した。

 生徒たちは「自分たちが出来ることで地域の役にたてるなら」と快諾。美術部員12人らで「ピンチはチャンス!せきまる治療でまちをPR大作戦!」を開始した。

 石粉粘土でつくった足型を元に、市立考古博物館の3Dプリンターで樹脂製の足を制作。「松葉杖と包帯バージョン」を経て、「完治」にこぎつけた。

 24日のお披露目式で、松葉杖と包帯の取れた「せきまる」を囲んで美術部員が記念撮影した。部長の永田結彩(ゆうあ)さん(15)は「市のメインキャラクターなので治療は大役を任されたと思って誇らしくなった。完成度が高くてうれしい」と話していた。

 「治療」の過程は市のSNSで発信。インスタグラムでは765件(24日現在)の「いいね!」がつくなど話題となったという。美術部に依頼した市共創イノベーション課・都市ブランド化推進室の永富敬吾室長は「生徒たちが楽しみながら取り組み、市への愛着も深めてくれた。学校と行政の共創でまちをつくる取り組みを進めたい」と話す。(白石昌幸)