過去7番目のエイズ完治事例発表…「幹細胞移植して免疫回復」

AI要約

ドイツ人患者が幹細胞移植を通じて後天性免疫不全症候群(エイズ)を完治した事例が報告された。

エイズはHIV感染による免疫機能の低下を引き起こし、感染症や悪性腫瘍による死亡リスクが高まる。世界には約4000万人のエイズ患者がいる。

ドイツの研究陣はCCR5変異を持つ幹細胞移植に成功し、2018年にエイズ完治を確認した。この手法が今後のエイズ治療に貢献する可能性がある。

過去7番目に後天性免疫不全症候群(エイズ)完治判定を受けたドイツ人患者の事例が伝えられた。この患者は幹細胞移植を通じて完治した。

ドイツのベルリン医科大学などの共同研究陣は26日にミュンヘンで開かれた第25回国際エイズカンファレンスで、「エイズ患者が幹細胞移植後に免疫機能が回復しエイズ完治判定を受けた」と明らかにした。

エイズはエイズウイルス(HIV)に感染して人体の免疫細胞が本来の機能をできなくなる疾病で、これにより免疫システムが崩れた患者は各種感染症と悪性腫瘍に感染して死に至ったりもする。国際学術誌ネイチャーによると世界のエイズ患者は約4000万人だ。

ドイツの研究陣は今回白血病の診断を受けた60代の男性エイズ患者に造血幹細胞を移植して免疫機能を回復するのに成功した。HIVは白血球表面のたんぱく質であるCCR5を通じて白血球に浸透するが、CCR5変異を持てばHIVの侵入を防げる。研究陣はCCR5変異を持つ造血幹細胞を2015年にエイズ患者に移植し、2018年に抗レトロウイルス治療を中断した。その後組織検査などを通じてエイズが完治したことを確認した。

今回のエイズ完治に対して世界保健機関(WHO)は「これまで幹細胞移植手続きは複雑で危険を伴い悪性腫瘍患者に限って実施してきたが、今回の治療を契機にエイズ患者にこの方式がさらに広く研究され使われるものとみられる」と予想する。

過去には2007年にドイツのエイズ患者が幹細胞移植を通じて完治判定を受けているほか、2022年にも米国のエイズ患者が同じ方式の治療で完治した。