神田財務官、ラストG20 在任3年、危機防止へ奔走

AI要約

20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議が閉幕し、退任する神田真人財務官の最後のG20となった。

神田氏は新型コロナやロシアのウクライナ侵攻など様々な難題に取り組み、危機回避に尽力してきた。

為替介入などの厳しい政策を行い、最後のG20でも為替レートの過度な変動に対する重要性を強調した。

神田財務官、ラストG20 在任3年、危機防止へ奔走

 【リオデジャネイロ時事】26日(日本時間27日)に閉幕した20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、今月末で退任する財務省の神田真人財務官にとり最後のG20となった。

 在任中は新型コロナやロシアのウクライナ侵攻、家計を直撃する物価高を引き起こす円安と数々の難題に直面。危機から破滅への進行を防ぐため世界を奔走した。

 神田氏は会議期間中、2021年の就任から3年間の在任中にこだわった点を記者団に問われ、「ロシアが不法な侵略を犯し、中東情勢にも火がつくなど非常に難しい中で、破局を防ぐこと」を挙げた。米国の利上げ局面では、新興・途上国からの資本流出などによる国際金融危機の回避も重要だったと指摘した。

 歴史的な円安にも見舞われた。22年には、24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入を指揮。今春、そして7月も介入に踏み切ったとみられ、市場の投機的な動きには断固たる姿勢を示してきた。最後のG20でも「為替レートの過度な変動は経済に悪影響を与え得る」とする従来の合意を共同声明で再確認。神田氏は閉幕後、「私どもの主張が反映されているところはかなりある」と、最後の会合の成果をかみしめるように語った。