“富士山が隠れるマンション”、解体で生じる新たな火種とは? 国立市民と積水ハウスを取材
「グランドメゾン国立富士見通り」は景観問題を抱え、解体工事が行われている。積水ハウスは新たな不安を生むが、対策を講じて工事を進めている。
富士山が見えるはずだったマンションは解体されることになり、市民の反対運動もあった。積水ハウスは景観を優先し、異例の決断を下した。
現場の工程表によると、仮囲いの設置や設備の撤去が進められ、来年8月まで解体工事が続く予定だ。
JR国立駅から徒歩10分ほどの場所に建つ「グランドメゾン国立富士見通り」。
本来であれば今頃は、入居者のにぎやかな声が聞こえていたはずだ。しかし7月22日、マンションにいたのはヘルメットをかぶった作業員だけ。
平積みされているのは足場だろうか。多くの資材が搬入されている。急転直下の出来事が起きたのは、6月のことだ。
その名の通り富士山が見える「富士見通り」沿いに建てられたマンション。部屋の窓からも富士山が望めることをウリにしていたが、一方で、通りから見えていた富士山の美しいシルエットは半分近く隠れてしまったのだ。
市民からは反対運動も起こり、事業を進めていた積水ハウスは完成間近での解体という異例の決断を下した。
積水ハウスは「景観に著しい影響があると言わざるを得ず、富士見通りからの眺望を優先するという判断に至りました」とコメントしている。
こうして始まった解体工事。景観は守られることになるが、住民には新たな不安が生じている。現場に張り出されている工程表には、7月23日から仮囲いの設置を進め、7月24日からは設備の撤去が行われると記されている。期間は来年8月まで。再びこの場所に工事の音が響くことになる。
「(建設)工事中は通りづらかったが、解体工事が始まると、また通りづらくなる」(通行人)
「建てるよりも、壊す方が粉塵や音などで周りに迷惑をかけるのではと心配」(国立市民)
積水ハウスは番組の取材に対し、現場には防音パネルを設置するほか、重機の使用を極力控え、騒音や振動への対策を徹底すると説明した。
「ご迷惑を最小限にとどめられるよう、細心の注意を払い工事を進めてまいります」(積水ハウス)
※これはテレビ朝日「グッド!モーニング」で放送した内容をABEMA TIMES編集部で記事化したものです。