かやぶき屋根、構造や職人技じっくり 寒河江の慈恩寺本堂、全層修理の見学会

AI要約

寒河江市の本山慈恩寺で70年ぶりのかやぶき屋根全層修理が行われ、地元住民らが見学。2022年10月から始まった作業は終盤に入り、新たなかやをふいているという。

屋根の構造や職人の手仕事に参加者が興味を持ち、作業の丁寧さや工程を間近で見学。本堂の特徴である軒先の特厚かやなどにも注目が集まった。

総事業費は2億2574万円で、寺はクラウドファンディングや寄付で資金を集めている。見学会は27、28日にも開催される予定だ。

かやぶき屋根、構造や職人技じっくり 寒河江の慈恩寺本堂、全層修理の見学会

 約70年ぶりとなるかやぶき屋根の全層修理を行っている、寒河江市の国指定重要文化財・本山慈恩寺(大江幸友管長)本堂で21日、見学会が行われ、地元の住民らに現場が公開された。参加者は作業用の足場に上り、屋根の構造や職人の手仕事を間近で見た。

 これまで本堂の屋根は部分的な修理によって維持されてきたが、表面にコケや杉の苗が生えたり、下地の丸太が欠けたりするようになっていた。作業は2022年10月に始まり、古いかやを取り除いた後、下地を補強し、たわみなどを修理した。23年11月から、100トンを超える新たなかやをふいている。

 作業は終盤に入っており、職人は1本ずつかやを差し込み、丁寧に長さをそろえていた。見学会には地元住民や参拝客が参加。足場からは屋根を近くで見ることができ、寺の関係者から「軒先のかやが特に厚いのが慈恩寺の特徴だ」などと説明を受け、普段は見ることができない、細部までじっくりと見学していた。

 総事業費は2億2574万円で、このうち本山慈恩寺の負担は1544万円。寺はクラウドファンディング(CF)サイト「レディーフォー」で資金を集めており、寺務所では寄付を募っている。山形市の山形九中1年加美山遥大(はるひ)さん(12)と、みはらしの丘小4年尊琉(たける)さん(9)の兄弟は「職人の技術はすごい」「かやの層が積み重なっているのが面白い」と話していた。見学会は27、28の両日も開く。