8番らーめん再建、内灘復興の象徴に 液状化に負けず、解体へ搬出作業開始

AI要約

「8番らーめん内灘店」が能登半島地震による液状化の被害で休業中から再建に着手する。建物の解体工事と地盤改良を行い、年内に営業再開を目指す。

店は1971年に開業し、地域住民に親しまれてきたが、震災で大きな被害を受けた。しかし、オーナーは再起を決意し、同じ場所で営業を再開することを決めた。

山岸さんは自ら解体工事を行い、新たな店舗を建て直す。営業再開を目指し、地域の皆さんに恩返しできるよう頑張る決意を示している。

8番らーめん再建、内灘復興の象徴に 液状化に負けず、解体へ搬出作業開始

 能登半島地震による液状化の被害で休業中の「8番らーめん内灘店」(内灘町鶴ケ丘2丁目)が再建に乗り出す。来週から建物の解体工事に着手し、地盤改良を行った上で新築する。年内の営業再開を目指し、オーナーの山岸千太郎さん(51)は「内灘の復興の象徴となれるよう、必ず店を建て直す」と前を向いた。

  ●年内再開目指す

 店は1971(昭和46)年に開業し、半世紀にわたり地域住民に親しまれてきた。町役場が隣にあった頃は昼食時に多くの町職員も足を運んだという。山岸さんは約30年前に父から店を継ぎ、内灘唯一の8番らーめんの看板を守ってきた。

 能登半島地震では周囲の地盤が約1・5メートル隆起し、店は傾き、駐車場のアスファルトは大きくめくれ上がった。山岸さんは妻の実家の珠洲市で被災。2週間後に内灘に戻ると、皿やどんぶりが割れ、冷蔵庫も開けられない状況だった。店内の惨状に言葉を失い、涙がこぼれたという。

  ●同じ場所で再起

 震災後、店を閉めようと考えたが、知人や地域住民から「山岸さんの野菜らーめんがまた食べたい」と励まされ、同じ場所で再起を図ることを決めた。

 山岸さんは現在、解体業の仕事をしており、店の解体工事も自ら手掛ける予定。解体工事には2週間ほどかかる見通しで、地盤改良を行った後、店舗を建て直す。3カ月ほどの工期が想定され、当面は年内の営業再開を目標とする。

 22日は「大規模半壊」と認定された店舗から鍋やフライパン、食器を運び出した。山岸さんは「ずっと働いてきた場所で、めちゃくちゃ寂しいが、地域の皆さんに恩返しできるよう、新たな店で頑張っていきたい」と話した。