高校入試手続き、デジタル化 願書提出から入学まで 負担軽減へ来年度実証・政府検討

AI要約

政府は、2025年度に高校入試全面デジタル化の実証事業を開始する方針を検討している。これにより、生徒や保護者、教員の負担が軽減され、人為的ミスも削減される見込み。

現在の高校入試手続きでは、多くの書類が手書きや手入力で行われており、それをデータ化して送付し、キャッシュレスでの受験料納付も可能にする。全体的な手続きをデジタル化することで効率が向上する予定。

中学校と高校間のデータ連携など技術的な課題を解決し、実証で効果を確認した上で、全国展開を目指している。学校側も新たなシステムを導入する必要がなく、既存のオンラインサービスを活用することでデジタル化が進む見通し。

 政府は、高校入試手続きの全面デジタル化を実現するため、2025年度に実証事業へ乗り出す方向で検討に入った。

 紙で作成されている出願書や生徒の調査書といった書類をデータ化し送付。入学手続きもオンラインで済ませる。生徒と保護者、教員の負担を軽減するとともに、出願書の出し忘れを含む人為的ミスの削減にもつなげる。

 高校入試の手続きでは、多くのケースで生徒が出願書を手書きで作り、金融機関の窓口で受験料を納付。中学校は生徒の調査書を高校へ直接持参したり、郵送したりしている。高校は受け取った書類をシステムに手入力し、手書きの誤記を確認する作業もしている。

 政府はこうした手間を減らすため、関係書類をデータで送付し、受験料もキャッシュレスで納付できるようにする。実証では、出願書や調査書、受験票の送付といった出願段階から、合否発表や入学手続き、進学先への書類提出まで、一連の手続きをデジタルで完結。協力を得られる教育委員会や公立学校などとの実施を予定している。

 今年度中に、中学校と高校間のデータ連携など技術的な課題の解決を目指す。実証で有効性を確認した上で、全国に広げたい考え。学校では新たなシステムを導入しなくても、オンラインのファイル共有サービスを使えばデジタル化を進めることが可能とみている。

 入試手続きをデジタル化すれば、学校にとっても書類確認やデータの再入力といった事務作業を大幅に減らせる。デジタル庁は、中学校で約30~90時間、高校で約20~80時間を削減できると試算。また、出願書の出し忘れや調査書の記載漏れなどのミス防止にもつながると期待している。