東大入試、共通テストによる「足切り」ラインを引き上げ 2次試験受験者1000人減少の公算

AI要約

2025年度入試の東京大学の選抜要項が公表され、第一段階選抜の基準が厳しくなったことが明らかになった。

合格倍率が変更された各科類に応じて、志願者数が増えた場合、2次試験に進める受験者数が減少する見込みだ。

基準引き上げの理由には、入学共通テストの厳格な選抜や受験者数の増加に対応するための人員確保の必要性が挙げられている。

東大入試、共通テストによる「足切り」ラインを引き上げ 2次試験受験者1000人減少の公算

東京大学は7月12日、2025年度入試の選抜要項を公表した。一般選抜の2次試験(個別試験)の受験者を大学入学共通テストの成績で絞る第一段階選抜(いわゆる足切り)の通過者を減らす。前回並みの志願があった場合、単純計算で2次試験を受けられる志願者が1000人程度減る。

第一段階選抜の基準の変更は理科三類以外の5科類で行う。第一段階選抜通過者の募集人数に対する倍率は次の通り(人数は募集人数、カッコ内は24年度入試までの倍率)

文科一類=401人 約2.5倍(約3.0倍)

文科二類=353人 約2.5倍(約3.0倍)

文科三類=469人 約2.5倍(約3.0倍)

理科一類=1108人 約2.3倍(約2.5倍)

理科二類=532人 約3.0倍(約3.5倍)

理科三類=95人(97人に変更を予定) 約3.0倍)(約3.0倍)

24年度入試では、第一段階選抜で約900人が不合格となった。新たな基準で同じ人数が各科類に志願したとすると、単純計算で不合格者となり2次試験を受けられない志願者が1000人以上増える。

東大の担当者は記者会見で基準引き上げの理由について、「大学入学共通テストによる基礎学力の選抜をより厳格に行い、2次試験をより丁寧に行う。(2次試験では)より深く答案に向き合い、より一層丁寧に採点を行える」と説明する。加えて、近年、障害などにより受験上の配慮が必要な志願者が増えていることをあげ、試験中の体調不良者やトラブルなどへの対応も含めた人員確保の必要性も理由とした。