三田市職員4割が市議からパワハラ経験、現職5人などの実名挙がる…温床は「上下関係にあるとの誤った認識」
市議によるパワーハラスメントについて、兵庫県三田市が管理職の職員にアンケートを実施したところ、約4割が「受けた経験がある」と答えていたことがわかった。支援者への利益誘導とも受け取れる要求をされたとの回答もあり、市は11日、再発防止を求めて調査結果を議会側に提出した。
市は、3月にあった一部市議によるパワハラを訴える公益目的通報を機に、実態把握が必要と判断。昨年11月にも議会側に申し入れたにもかかわらず、改善されていないとして、市議に対応する機会が多い副課長級以上の177人を対象に、6月に匿名のオンライン方式でアンケートを行い、171人の回答があった。
調査結果によると、市議からパワハラを受けた経験が「ある」と回答したのは65人(38%)で、見聞きしたと答えたのは91人(53%)。内容は「威圧的、高圧的な言動や態度」が最も多く、「対応や回答(答弁)について罵倒」「大声で叱責(しっせき)」などと続いた。
具体的な事例としては、「机を何度もたたき、罵倒された」「気に入らない回答に『徹底的にやってやる』と脅迫に近い発言」のほか、「支援者の活動に、補助金制度を創設するよう要求された」もあった。
行為者として現職5人と元議員3人の実名が挙がり、職員68人から名指しされた現職もいた。
また、「市議と職員が上下関係にあるとの誤った認識」がパワハラの温床になっているとし、「管理職の多くが萎縮(いしゅく)している」と訴える声もあった。「一般質問の内容を職員に書かせている」などと議員としての姿勢への疑問も寄せられた。
パワハラを受けたと回答した65人のうち、約半数が周囲に相談しておらず、「何をしても解決しないと思った」との理由が多かった。市側の責任を問う内容もあり、第三者委員会の調査や、職員への心理面のケアを求める声もあった。
市は現段階で、個別事案の事実確認は行わないとしているが、調査結果はホームページで公表する。