学校プールの管理、担当教員に任せっきりにしないで 文科省が通知

AI要約

学校プールの水が出しっぱなしになり、多額の損害が相次いで報告される事態に直面し、文部科学省はプールの管理を教員個人に負わせず、組織的に管理するよう通知を出した。

プールの水漏れ問題は全国で発生しており、今年だけでも4都府県で400万円以上の損害が報告されている。文科省は特定の教員に一任する状況を避け、管理体制の見直しを促している。

通知では、学校プールの管理は教師に限らず、より組織的に行うべきであり、教員負担の軽減のために指定管理者制度や民間委託を検討するよう求められている。

学校プールの管理、担当教員に任せっきりにしないで 文科省が通知

 学校プールの水が出しっぱなしになり、多額の損害が出る事案が全国で相次いでいることを受け、文部科学省は10日、プールの管理責任を特定の教員に負わせず、組織的に管理することなどを求める通知を出した。

 給水を止め忘れてプールの水が出しっぱなしになる事案は各地で起きている。今年も6月以降、宮城、大阪、東京、石川の4都府県で少なくとも計約400万円の損害が生じている。昨年は川崎市教育委員会が約95万円の賠償を校長や担当の教員に求め、校長側が払った。

 文科省は通知で、特定の教員が学校プールの管理を任せられ、損害賠償の責任を負う可能性がある中で働く状況は「望ましくない」と指摘。プール管理は「必ずしも教師が担う必要のない業務」と整理されていることも紹介した。

 その上で、教員の負担軽減のために、学校プールの指定管理者制度の導入や民間への委託の検討を求めた。学校で管理する場合は、教員でない管理員の配置や、自動で給水を止めるシステムの導入、複層的なチェック体制の構築など、特定の教員に任せきりにせず、組織的な管理体制を整えることも求めた。(山本知佳)