夏の睡眠不足と戦う『快眠法』 カギは「湿度」&「脳を冷やす」

AI要約

夏の眠りについての問題点や解決策が紹介されている。

湿度が眠りに与える影響や、脳の冷却方法について具体的に解説されている。

良質な睡眠を得るための環境整備や脳の温度管理の重要性が強調されている。

夏の睡眠不足と戦う『快眠法』 カギは「湿度」&「脳を冷やす」

50代女性

「暑くなってきて、眠りにくくなった。冷房をかけても、眠るまで時間がかかる」

40代男性

「蒸し暑くて、あまりよく眠れない。2~3回起きてしまい、寝た感じがしない」

夏は日照時間が長く、寝つきや眠りの持続が難しいことに加え、高温・多湿な寝室環境となるので、1年で最も睡眠時間が短い季節です。

東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長によると、

「睡眠不足は、糖尿病や高血圧、心筋梗塞など生活習慣病のリスクが上がり、身体に大きな影響を与える」ということです。

不快な眠りを解消するカギは『湿度』です。

梶本院長によると、

「高温多湿の今の時期、実は寝苦しさや睡眠の質が低下するのは、室温より湿度の影響の方が大きい」ということです。

7月の東京の平均湿度を見てみると、連日70%を超えています。 一般的には、40~60%が快適とされています。

そして、温度が同じ28℃でも、湿度が高い方が体感温度も上がります。 画像でも、湿度60%より80%の方が体温が高くなっています。

なぜ湿度が高いと眠れないのでしょうか?

本来、発汗などで汗が蒸発して放熱しますが、空気中に水分が多くあるので、湿気で蒸発が出来ません。そのため、体に熱がこもり、寝付きにくくなります。

梶本院長です。

「エアコンの除湿や除湿器を使い、寝室の湿度を下げることが重要」

ただ、60代女性のように、「エアコンをつけると、乾燥でのどが痛くなるから使えない」という方もいます。

梶本院長によると、

「夏に空気の乾燥でのどが痛くなることはほぼない。のどが痛いのは、口を開けて寝ているか、脱水症状の可能性がある」ということです。

「(湿度対策として)枕元に水分を吸う珪藻土(けいそうど)のマットを置くのは?(20代男性)」

梶本院長です。

「効果はあります。昼間にしっかりマットを乾燥させておくことが大事」

快眠の秘訣です。

梶本院長によると、

「脳の温度を下げて、脳を休ませることは、質の高い睡眠につながる」ということです。

脳の温度を下げるポイントが、『鼻』です。

鼻は脳の冷却装置です。 鼻から吸った空気が通る『鼻腔』は脳に近いため、脳の温度を下げるには『鼻呼吸』が大事です。

梶本院長のおすすめが、『478呼吸法』です。

●4秒かけて鼻からゆっくり空気を吸い、

●7秒息を止めます。

●そして、8秒かけて口から息を吐きます。

これを涼しいリビングなどで、3回繰り返してから寝るといいそうです。

さらに、脳の温度を下げるポイントとなるのが『室温』です。

脳にとって快適な室温は22~24℃ですが、体にとって快適な室温は25~27℃です。

梶本院長は、

「快眠には『脳』にとって快適な室温を 優先するべき」としています。

では、どうすればよいのでしょうか。

●エアコンの温度は、脳の快適さを優先して、24~25℃に設定します。

●脳を冷やすために『鼻呼吸』をします。

●そして、体が冷えすぎないように、薄手のタオルケットではなく、冬用のかけ布団をかけて寝るといいということです。

梶本院長です。

「脳は、常に冷却が必要。脳の温度が高いままだと、脳が休まらず回復できない。倦怠感・夏バテ・免疫力の低下につながってしまう」