「高ストレス」の公立校教職員は過去最高の11・7%…業務量や保護者対応が要因

AI要約

2023年度の公立学校共済組合の調査で、高ストレスの教職員が過去最高の11・7%に達したことが明らかになった。

ストレスの要因は事務的な業務量や保護者への対応などであり、特に中学、高校の教職員に多く見られ、30~40歳代が影響を受けやすい。

続いて、報告書の作成や校務分掌などがストレス要因であり、近年は「モンスターペアレンツ」なる高圧的な保護者の存在も問題化している。

 全国の公立小中高校の教職員が加入する「公立学校共済組合」の2023年度調査で、医師による面接が必要な「高ストレス」の教職員が過去最高の11・7%に上ったことが27日、わかった。事務的な業務量や保護者への対応がストレスの要因になっている。

 共済組合は16年度から労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック」を実施している。昨年度は約32万人の教職員が受検した。

 高ストレス者の割合は、調査を開始した16年度(8・9%)以降、コロナ禍で休校が続くなどした20年度を除き、毎年上昇している。中学、高校の教職員にストレスを感じる割合が高く、30~40歳代が多い。

 共済組合は今回初めて、ストレスの具体的な要因を把握するため、16~22年度に受検した延べ約172万人分のデータを分析した。

 最多のストレス要因は、報告書の作成など「事務的な業務量」だった。以下、「対処困難な児童生徒への対応」、学校の業務を分担する「校務分掌」と続いた。22年度には「保護者対応」が初めて4番目に入った。

 近年、学校現場では長時間労働の常態化のほか、教職員に高圧的な態度をとる「モンスターペアレンツ」と呼ばれる保護者の存在が問題となっている。

 調査に携わった福岡聖恵病院の十川博副院長は「保護者からの理不尽な要求や苦情などへの対処は難しくダメージも大きい。苦しんでいる教員を同僚や上司が見逃さず、仕事の分担などでサポートしていく姿勢が重要だ」と指摘する。