松岡充「エネルギーの原型を思い出してほしい」 29年前同等のツアーを「自腹でも」と実現させた理由

AI要約

1995年にメジャーデビューし、わずか2年で単独日本武道館公演を果たしたロックバンド、SOPHIA。2013年に活動を休止していたが、9年後に10月11日の日本武道館ライブで活動を再開。

松岡充はメンバーの意見を尊重し、再開の決定を早めるためにバンドの未来を明確にすべきだと感じていた。全メンバーが再開に賛成し、復活ライブが実現した。

新曲「あなたが毎日直面している 世界の憂鬱」はSOPHIAの新たなフラッグとなる曲であり、コロナ禍の影響にもかかわらずエンタメの重要性を再認識している。

松岡充「エネルギーの原型を思い出してほしい」 29年前同等のツアーを「自腹でも」と実現させた理由

 1995年にメジャーデビューするや、「街」や「黒いブーツ ~oh my friend~」などのヒットを飛ばし、わずか2年で単独日本武道館公演を果たしたロックバンド、SOPHIA。2013年8月、活動を休止したが、22年10月11日の日本武道館ライブで9年の時を経て活動を再開した。

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■「やりたい」と言ってくれた

松岡充 僕は元々メンバーを尊重するタイプで、それぞれの正義や価値観を重んじてきました。だから(活動休止から)9年間は待ったんですが、10年は「待てない」と思ったんです。ファンを待たせすぎだから、10年経つ前にバンドをやめるのか再開するかはっきりさせたかった。だから、復活ライブとして日本武道館公演を掲げたんです。

 僕が伝えたのは、「やるかやらないかはっきり決めよう」ということ。メンバー一人ひとりと話して、「やりたい」か「やりたくない」かどちらかだけで、「やってもいいけど」だったら「やらない」と言いました。全員が「やりたい」と言ってくれたので、活動再開が決まりました。僕が9年間求めていた答えでした。

■ここでやらないでいつやるんだ

──そこから1年後、10年ぶりの新曲としてリリースされた「あなたが毎日直面している 世界の憂鬱」は、これからのSOPHIAの「フラッグ」になる曲だという。

松岡 休止していた9年のうちの2年半はコロナ禍で、音楽も演劇も、作品を一緒に創ってきた人たちの世界がトーンダウンしていくのを見てきました。仕事が飛んで、「食っていけないからやめようと思います」という連絡がたくさんきて…皆「コロナ禍が明けたら」って言う。僕は現実を見ながら、「明けるかどうかもわからないのに、明けなかったらこの国からエンタメはなくなるのか」と悶々としていました。

 僕は「世の中が落ち込んでいる時こそエンタメが救う」という考え方で、「ここでやらないでいつやるんだ?」とずっと思っていたし、何が原因かと考えて、いや、コロナじゃないな、と思ったんです。