中国ETF、5月は1年3カ月ぶりの売り越し-株高の強さに疑念

AI要約

中国の上場投資信託(ETF)は5月、1年3カ月ぶりに売り越しに転じた。中国株反発の強さに疑念が呈されている。

投資家が42億ドルを引き揚げ、規模の流出額となった。

政府支援強化への期待と支援措置の有効性に対する疑問が株高への確信を弱めている。

(ブルームバーグ): 中国の上場投資信託(ETF)は5月、1年3カ月ぶりに売り越しに転じた。中国株反発の強さに疑念が呈されている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、27日までの1カ月間に上海と深圳の株式ETFから投資家が42億ドル(約6600億円)を引き揚げた。それまで2カ月間の資金流入を超える規模の流出額となった。

中国の株式相場は2月に底を入れして以来、大きく反発。政府系のファンド、いわゆる「国家隊」が大型ETFの幾つかを買い入れ、数カ月にわたった株価急落に歯止めをかけた。

不況が続く不動産セクターに対する政府支援強化への期待から、株式相場は上げに転じたものの、低調な決算シーズンと支援措置の有効性に対する疑問が株高への確信を弱めている。

UBSインベストメント・バンクの中国戦略責任者ジェームズ・ワン(王宗豪)氏は、「過去数週間の株式への資金流入は多くが不動産政策への期待に賭けた『ファストマネー 』だった可能性がある」と指摘。景気刺激策が予想より弱く「売りたい衝動に駆られているのかもしれない」との見方を示した。

原題:China’s Stock Rally Falters With $4.2 Billion ETF Outflows (1) (抜粋)

--取材協力:Jack Wang、Sangmi Cha.

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