10年物国債の利回りが上昇 約12年半ぶりの高水準に

AI要約

東京債券市場で、新規発行10年物国債の利回りが12年半ぶりの高水準に上昇。

長期金利の指標である10年物国債の利回り上昇が家計や企業活動に影響を与える。

アメリカ利下げ遅れ観測や日本銀行の国債買い入れ減少見通しなどが10年物国債利回り上昇要因。

 

 東京債券市場で、新規発行10年物国債の利回りが上昇し、一時、前日の終値より0.04%高い1.075%をつけました。約12年半ぶりの高い水準です。

 長期金利の指標である10年物国債の利回りは、住宅ローンの固定金利や企業への貸出金利の基準となっていて、利回りの上昇は家計や企業活動に影響を与えます。

 アメリカのFRB(=連邦準備制度理事会)の高官の発言から、アメリカでの利下げ開始時期が後退するとの見方が広がり長期国債の利回りが上昇したほか、日本銀行が金融の正常化に向けて国債の買い入れ額を減らすとの見方から、日本の国債が売られる展開となりました。そのため、10年物国債の利回りは一時、約12年ぶりの水準となる1.075%まで上昇しました。

 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、「日銀がどう行動するか次第で、債券市場の参加者も様子を見ながら水準を探っている。来月の金融決定会合まで決定的な材料はないが、長期金利はじりじりと上昇していく流れになる」と分析しています。(ANNニュース)