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Z世代とは異なる戦い方? ミレニアル世代は、上司に知らせず休みを取る「静かな休暇」を実践中(海外)
ミレニアル世代が静かな休暇を取る傾向があることが報告されている。彼らは休暇を取る際に雇用主に知らせずに行うことが多い。
ミレニアル世代は、静かな休暇を取る一方で、仕事中に休暇を取っているかのように見せかける行動も取っている。例えば、メッセージアプリのステータスをアクティブに保つなどの行為が報告されている。
有給休暇を取得しにくい状況や、仕事とプライベートの境界が曖昧になっていることが調査結果から示唆されている。
![Z世代とは異なる戦い方? ミレニアル世代は、上司に知らせず休みを取る「静かな休暇」を実践中(海外)](/img/article/20240528/66554037b5235.jpg)
ミレニアル世代は、雇用主に知らせることなく休みを取る「静かな休暇(quiet vacationing)」を実践している。
ハリス・ポール(Harris Poll)の調査では、ミレニアル世代の38%が"静かな休暇"を取ったことがあることが分かった。これはZ世代やX世代よりも多い。
多くの労働者は常に"対応可能"でなければならないというプレッシャーにさらされていて、仕事と有給休暇の境界が曖昧になっている可能性がある。
リモートワーク時代の初期には「静かな退職(quiet quitting)」 ── 実際に仕事を辞めたり給料を放棄したりすることなく、惰性で仕事を続ける ── が大ブームとなったが、仕事と距離を置く別の方法を見つけた人たちがいる。
惰性で働き続けるのではなく、有給休暇を取得せず、上司にも報告せずに"休む"のだ。
これが「静かな休暇」だ。そして、ミレニアル世代は特にこの「静かな休暇」が好きなようだ。
ハリス・ポールが会社勤めをしているアメリカ人1170人を対象に実施した最新調査では、ミレニアル世代の10人中4人近くが実際に雇用主に知らせることなく仕事を休んだことがあると答えた。同様に回答したのはZ世代で24%、X世代で24%だった。調査は4月26~28日にオンラインで行われた。
実際は働いていないにもかかわらず、働いているように見せる行動をとったことがあると答えた人も、ミレニアル世代は多かった。この世代の38%が、メッセージアプリのステータスを"アクティブ"に保つためだけにマウスを動かしたことがあると回答している。Z世代では30%だった。
ミレニアル世代は、勤務時間外のはずなのに働いているように見せようとまでしている。この世代の37%は残業しているように見せるために、わざと通常の勤務時間外にメッセージの送信予約をしたことがあると答えている。Z世代では27%だった。
「巨大な回避文化が存在します」とハリス・ポールの最高戦略責任者リビー・ロドニー(Libby Rodney)氏はCNBCに語った。
「静かな退職というより、静かな休暇です」
世代間の違いから、ミレニアル世代は他の世代よりも"静かな休暇"を取っているのかもしれない。CNBCの取材に応じたロドニー氏によると、Z世代はワーク・ライフ・バランスの整っていない雇用主を声高に批判するのに対し、ミレニアル世代は「裏で」静かな回避策を見つける傾向が強いという。
ハリス・ポールの調査では他にも、アメリカの労働者の78%が与えられた有給休暇を使い切っていないと回答していて、同じくらいの割合の労働者が、与えられた有給休暇を使い切りたいと答えている。
また、回答者の約3分の1が、有給休暇の取得を増やすための最大のハードルは、常に"対応可能"な状態でいなければならない、仕事の要求に応えなければならないというプレッシャーと、仕事量の多さだと回答している。
正式に取得した有給休暇中に、回答者の半数以上が仕事の電話がかかってきたことがあると答えていて、86%が上司からのメールをチェックしたと回答していることから、仕事とプライベートの時間は互いに滲み出し合っているのかもしれない。