売り上げ度外視、破格のデカ盛り 母から継いだこだわりの1.3kg 東京・上板橋の弁当屋

AI要約

東京・上板橋駅近くにあるお弁当屋「まごころ大高」では、物価高騰の中でも売り上げ度外視のデカ盛り弁当が人気で、店主の真心が詰まったメニューが多数揃っている。

店主の大高博信さんは、およそ2万食の弁当を作る店を継いだ2代目であり、重傷を負った事故をきっかけに仕事への向き合い方が変わり、新しいメニューを考案している。

「まごころ大高」では「いっさいがっさい」と呼ばれる「肉まみれ」のメガ盛り弁当が人気で、客からは幸せな気持ちにさせられると高評価を受けている。

売り上げ度外視、破格のデカ盛り 母から継いだこだわりの1.3kg 東京・上板橋の弁当屋

 物価高騰のなかでも売り上げ度外視のデカ盛りを続ける弁当店。町の人々に愛される名物弁当には店主の温かい真心が詰まっていました。

 東京・上板橋駅近くにあるお弁当屋さん「まごころ大高」。

 注文が入ってから作るスタイルで、いつでもできたてが味わえます。一番人気は毎日9種類のおかずが変わる「日替わり幕の内弁当」(750円)。バラエティ豊かなおかずが並んでいました。

 さらに、リピーターが多いメニューが別名「肉まみれ」と呼ばれる弁当の「いっさいがっさい」(1200円)。

 容器にコメをまんべんなく敷き詰め、なんと重さは800グラム以上。

 コメの上には、牛ハラミ、焼き肉、唐揚げ、鶏の照り焼きがこれでもかと盛り付けられています。総重量は、1キロまで計測できるはかりの針が振り切れるほど。

店長 大高博信さん(55)

「(Q.重量はどのくらい?)(およそ)1.3キロです」

 考案したのは博信さん。母のミツ子さん(80)から店を受け継いだ2代目です。

博信さん

「(Q.大盛は昔から?)今ほどではなかったけど、量は多かったですよ」

 昭和50年頃にミツ子さんがオープンした「まごころ弁当」。当時からこだわっていたのができたてです。

ミツ子さん

「注文が来たものは、ほとんど断らない。朝の3時からでも起きてやっていた」

 働く母の背中を見て育った博信さんも自然と料理の道へ。調理の専門学校を卒業後、ホテルのフレンチレストラン、日本橋の割烹(かっぽう)で修業を積みました。

博信さん

「(Q.よくいろいろな料理がつくれますね)プロですから」

 およそ2万食の弁当を作る店の調理長を務めた後、18年前に家業を継ぎ、母の代から続くメニューを守り続けてきました。そんな博信さんに、人生観が変わるほどの転機が訪れたのは8年前のこと。

博信さん

「バイクで配達してたんですけどね、接触事故を起こしちゃって。骨盤の粉砕骨折」

 事故で半年も車椅子が必要なほどの大けがをしました。現在も骨盤に人工プレートを入れた状態で生活しています。

 しかし、その怪我がきっかけで仕事との向き合い方に変化が生まれたといいます。

博信さん

「けがする前は無敵状態というか、何でもできると思っちゃって。徹夜して遊びに行ったり、飲みに行ったり、趣味とかもやってたんですけど、これからの目標とか、どこに向かっていくのかとか、仕事が生きがいになるのかどうかってところも含めて発見できた」

 「人生、何が起きるか分からないから今を大切に生きる」。そんな思いから、これまで以上に真剣に仕事に向き合うようになったという博信さん。

博信さん

「これやったらウケるかな、お客さん笑うかなとか。ドキドキするような、ワクワクするような、アトラクションみたいな弁当を作りたいなって」

 そして、自分なりの形を模索していくうちにたどり着いたのが、メガ盛り弁当を始めとした60種類にも及ぶメニューです。

博信さん

「原価率はかなり、5割超えてますよ。だから経営者としてはもう全然ダメです」

「(盛り付けが)足りないかもね」

ミツ子さん

「足す?」

博信さん

「もうちょっと足そう」

 そんな思いの詰まったメガ盛り弁当は、一日に50食出る日もあるほどの看板商品に。

メガ盛りを注文した客

「(Q.この量はどう?)幸せですよ。やっぱり頑張れます」

博信さん

「ありがとうございます」